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労務情報

今年はどうなる?最低賃金 ~ ポイントを抑えて、必ずチェック!~

公開日:2020年9月3日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 


今年はどうなる?最低賃金 ~ ポイントを抑えて、必ずチェック!~

今週のピックアップ

【労務情報】
◆ 最低賃金の近年の動向など
◆ 2020年10月からの最低賃金
◆ 最低賃金とは?
◆ パート・アルバイト社員などは?
◆ 最低賃金の対象となる賃金とは?
◆ 割増計算の基礎となる賃金との違いに注意
◆ 最低賃金のチェックポイントとチェック方法
※本ブログでは「最低賃金=地域別最低賃金」としています。


【KING OF TIME 情報】
◆ 人件費概算機能
◆ 割増賃金の集計方法
◆ 給与計算するためのデータ出力・API連携
☞ KING OF TIME 情報は 《 こちら 》


最低賃金の近年の動向など

ここ数年の最低賃金の動きについては、「1億総活躍プラン(2016年)」、「働き方改革実行計画(2017年)」において、「最低賃金を毎年3%程度上げていき、全国加重平均が1,000円になることを目指す」と示され、それ以降、およそそのとおりに最低賃金が引き上げられてきました。

全国平均の推移  ※( )内は前年比
2016年:823円(25円、3.13%)、2017年:848円(25円、3.04%)
2018年:874円(26円、3.07%)、2019年:901円(27円、3.09%)


2020年10月からの最低賃金

最低賃金改定の流れは、およそ下記のとおりです。
➀ 毎年、中央最低賃金審議会で目安を提示
➁ 各都道府県にある地方最低賃金審議会にて調査審議などを行い、答申
③ 各都道府県労働局長が決定

今年に関しては、7月22日に中央最低賃金審議会において、「新型コロナ感染拡大の影響などにより、引き上げ額の目安を示すのは困難、現行水準を維持することが適当」とされました。
それらを踏まえ、各地方最低賃金審議会にて調査審議等がおこなわれ、すべての答申が出そろいました。
答申のポイントは以下のとおりです。
・一部据え置く都道府県もありますが、最低賃金の引上げを行ったのは40県で1円~3円の引上げ (引上げ額が1円は17県、2円は14県、3円は9県)
・改定後の全国加重平均額は902円(昨年度901円)

<参考>厚生労働省HP

☞ 令和2年度 地域別最低賃金 答申状況(8/21)

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します

☞ 必ずチェック最低賃金:地域別最低賃金全国一覧

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します
※8月31日時点:未更新。令和元年10月発行分となっています。


最低賃金とは?

改めて、最低賃金とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額と定めたものです。
会社はその最低賃金以上の賃金を労働者に支払わなければなりません。

最低賃金を下回っていた場合は、会社は労働者に対してその差額を支払う必要があります。 最低賃金を守らない場合、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められています。


パート・アルバイト社員などは?

最低賃金は、正社員のみならず、契約社員、パート・アルバイト、嘱託社員、派遣社員、外国人実習生など、雇用形態に関係なく、全ての労働者に対して適用されます。
仮に、最低賃金額より低い賃金で労働者の合意を得ていたとしてもそれは認められません。その場合は、法律によって強制的に無効となり、最低賃金額と同様の金額で合意したとみなされます。


本社とは別の地域に事業所がある場合は?

本社の他に事業所(支店や営業所、工場や店舗など)があり、本社とは別の都道府県の場合は、社員が所属する事業所の地域の最低賃金が適用されます。特に本社より他事業所の地域の最低賃金の方が高い場合は、見落とした際に、事業所の従業員の賃金がその地域の最低賃金を下回ってしまうことがあるため注意が必要です。最低賃金をチェックする際はそれぞれ分けて行いましょう。

複数事業所がある場合の対策として、最低賃金の高い方に合わせ、全従業員の基本給を一律上げると大幅なコスト増となるため、基本給はそのままで、地域ごとの最低賃金を上回るように「地域手当」を支給するのも一案です。
特に異動がある場合、例えば、本社が東京以外で支社が東京の場合、賃金規程に東京支社勤務の従業員のみ地域手当を支給すると定めておけば、本社に戻った際は手当の支給を止めるといった運用も可能です。
これによりある程度コストを抑えつつ、最低賃金もクリアできます。


最低賃金の対象となる賃金とは?

最低賃金の対象となる賃金は、一言で言うと、「毎月支払われる基本的な賃金」です。
実際に支払われている賃金から以下の賃金を除いたものが最低賃金の対象になります。

最低賃金から除くもの(対象外)
・結婚手当など:臨時に支払われる賃金
・賞与など:1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
・時間外割増賃金など:所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金
・休日割増賃金など:所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金
・深夜割増賃金など:午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分
・精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

<参考>厚生労働省HP

☞ 最低賃金の対象となる賃金

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します

ここで注意したいのが、精皆勤手当です。
精皆勤手当は、遅刻・早退・欠勤などあると支給しない。としている会社が多いと思いますが、支給しない場合があるため(精皆勤手当含めて最低賃金をクリアしていても、支給しない場合、最低賃金を下回るため)、最低賃金の計算の基礎に含めることができません。


割増計算の基礎となる賃金との違いに注意

一方で、精皆勤手当は、時間外割増などを計算する際には、計算の基礎に含める必要があるため、こちらも注意が必要です。

精皆勤手当とは逆に、住宅手当は最低賃金の対象に含まれますが、割増計算の基礎には含めなくてもよい(一律支給の場合などは除く)手当です。

計算の基礎(対象)に含めるか否かについては、最低賃金と割増計算とで取り扱いが異なる手当もあるため、混同しないように整理しておきましょう。

<参考>厚生労働省HP

☞ 割増賃金の基礎となる賃金とは?

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


最低賃金のチェックポイントとチェック方法

しばらく最低賃金をチェックしていない会社は、最低賃金額を下回っていることがあるかもしれません。
ご参考にチェックのポイントとその方法を記載します。

■ 新卒入社で年数が浅い方や契約社員の方など
前述のとおり2016年823円であった最低賃金が2019年は901円となっています。3年間で時間単価では78円、月額では月の平均所定労働時間数が160時間とすると12,500円ほど上がっています。昇給が最低賃金の上昇ペースを下回っている場合は注意が必要です。

■ タイミングによっては(一時的に下回る)ケース
給与改定が4月の会社では、その時点では上回るが、10月改定で下回ってしまうことがあります。
それに対しては、① 給与改定時期を10月にする。➁ 3%上昇を見込んで行う。③ 10月に再度給与改定を行う。など考えられます。手間やコストを考えると、可能であれば➀がベストでしょう。

新卒社員の初任給についても、求人を出した際は最低賃金を上回っているが、10月に改定された結果、翌年4月に入社して支給する際に下回ってしまうというケースもあります。 こちらに対しては、きちんと最低賃金を確認の上、対応しましょう。

■ 最低賃金の対象か否か
自社の給与体系と前述の最低賃金の対象となる賃金も改めて確認しましょう。特に精皆勤手当や無事故手当などのように、一定の要件で金額が差し引かれる賃金がある場合には注意が必要です。

■ 最低賃金との比較の方法
最低賃金の対象となる賃金額と適用される最低賃金額を以下の方法で比較します。賃金額が最低賃金額を上回っていれば問題ありません。

・時間給の場合
時間給≧最低賃金額(時間額)

・日給の場合
日給額÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

・月給の場合
月給額÷1か月平均所定労働時間(※)≧最低賃金額(時間額)
※1か月平均所定労働時間は、以下の計算式で求めます。
(365日-年間休日数)×1日の所定労働時間 ÷12か月

例:月給額168,000円、年間休日数113日、1日の所定労働時間8時間の場合、
  1か月平均所定労働時間=(365日-113日)×8時間 ÷12か月=168時間

168,000円÷168時間が最低賃金額を上回っているかいないかを確認。 最低賃金額以上であれば問題ありません。

・出来高払制その他の請負制によって定められた賃金の場合
出来高払制などにより計算された賃金総額÷総労働時間数≧最低賃金額(時間額)
※この場合、所定労働時間ではなく、時間外などを含めた実際の総労働時間数で割り、1時間当たりの賃金を算出するのがポイントです。
※月給と出来高給の両方を支給している場合などは、それぞれ上記の方法で計算し合計し、最低賃金額と比較します。

<参考>厚生労働省HP

☞ 最低賃金のチェック方法は?

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します

※所定労働時間数が就業規則や実態とズレているケースもありえますので、これを機会に就業規則や賃金規程も合わせて確認しておきましょう。



KING OF TIME 情報


今回は給与計算に関する機能を3つご紹介します。

◆ 人件費概算機能
◆ 割増賃金の集計方法
◆ 給与計算するためのデータ出力・API連携



人件費概算機能

KING OF TIME上では、給与計算は行えません。その代わり、人件費の「概算」を出せます。従業員・雇用区分ごとに「単価」を設定し、集計された勤務時間をもとに人件費の概算を出します。
また、スケジュール時間を元に計算した、「予定」の人件費概算も出せます。
(※あくまでも「概算」のため、正しい給与計算にはご利用にならないよう、ご注意ください。)

人件費概算機能

☞ 「人件費概算出力機能」とは何ですか?

 >>> 詳しくはこちら



割増賃金の集計方法

2010 年の労働基準法改正で、1 か月あたり 60 時間を超える時間外労働に対して、5 割以上の割増率で計算した割増賃金の支払いが義務付けられました。中小企業は当面の間、割増率の適用が猶予されていますが、2023 年 4 月 1 日より猶予措置が廃止されます。
KING OF TIMEでは、「45 時間超過~60 時間」「60 時間超過~ 」の残業時間を、それぞれ集計できます。

割増賃金の集計方法

☞ 一定時間を超えた労働時間を割増賃金の対象として集計できますか?

 >>> 詳しくはこちら



給与計算するためのデータ出力・API連携

KING OF TIMEで集計した勤怠データを元に、給与計算を行われているかと思います。
給与計算システムをご利用の場合は、KING OF TIMEから出力したCSVデータを給与計算システムに取り込むことで、簡単に給与計算できます。
また、KING OF TIMEとAPI連携している給与計算システムもございます。

給与計算するためのデータ出力・API連携

☞ 「月別データ[CSV]」とは、何ですか? ※データ出力(エクスポート)

 >>> 詳しくはこちら

☞ 外部サービス連携(WebAPIなど)

 >>> 詳しくはこちら



本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
次回は、「 間違えて運用していませんか?労働時間の丸め処理 」についてお伝えする予定です。

今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。


監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント