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労務情報

間違えて運用していませんか?【 1か月単位の変形労働時間制(その1)】 ~ 日、週、月単位の残業設定を見直そう ~

公開日:2020年2月20日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:特定社会保険労務士 馬場栄


間違えて運用していませんか? 1か月単位の変形労働時間制(その1)

今週のピックアップ

【労務情報】
◆ 原則の労働時間に関するルール
◆ 1か月変形の残業時間の計算は?
◆ 1か月変形を自社で導入するためには

【KING OF TIME 情報】
◆ 日単位の残業
◆ 週単位の残業
◆ 月単位の残業


原則の労働時間に関するルール

労働基準法では「1週間は40時間、1日は8時間まで」という労働時間のルールを定めており、この時間を超えた勤務シフトを定めることが出来ない、というのが原則の考え方になっています。

1日の所定労働時間が8時間以下で完全週休2日制(週40時間以内)としている会社であれば問題ないのですが、1か月の中で業務の繁閑があり、忙しい週や日には勤務日を増やしたり、勤務時間数を増やして(所定労働時間を週40時間超、1日8時間超で)勤務シフトを組みたいといった会社の場合、上記の原則的なルールではうまくシフトを回せないといったことが生じます。

そこで、労働基準法では
「1か月以内の期間を平均して、1週間当たりの労働時間が40時間になるのであれば、ある週に40時間を超える勤務シフトを組んだり、ある日に8時間を超える勤務シフトを組むことが可能になる」
という運用を認めております。

つまり「ある週は忙しいから週50時間シフト」、「ある日は忙しいから1日15時間シフト」など組むことがOKになるということです。会社にとって、柔軟に運用できる制度ということですね。
それが、1か月単位の変形労働時間制(以下、1か月変形)になります。


1か月変形の残業時間の計算は?

では、1か月変形を導入した場合、時間外割増が必要な残業時間はどのように計算するのでしょうか?
1か月変形では、「日の単位」「週の単位」「月の単位」の3つの視点で計算します。

1.日の単位
原則のルールでは、1日8時間を超えた時間が残業となりますが、1か月変形では以下の通りとなります。

■ 1日8時間超の勤務シフトを組んだ場合
 → シフトを組んだ時間を超えたところから残業

1日8時間超の勤務シフトを組んだ場合

■ 1日8時間以下の勤務シフトを組んだ場合
 → 8時間を超えたところから残業

1日8時間以下の勤務シフトを組んだ場合

※「割増が不要な残業」=時間外割増(×1.25)は不要ですが、所定労働時間の超過分であるため、超過時間数×時間単価で計算した額を支給する必要があります。


2.週の単位
原則のルールでは、週40時間を超えた時間が残業となりますが、1か月変形では以下の通りとなります。

■ 週40時間超の勤務シフトを組んだ場合
 → シフトを組んだ時間を超えたところから残業

週40時間超の勤務シフトを組んだ場合

■ 週40時間以下の勤務シフトを組んだ場合
 → 40時間を超えたところから残業

週40時間以下の勤務シフトを組んだ場合

なお「週の単位」で残業時間を計算する場合は、「日の単位」で計算した残業時間は除いて計算します。

3.月の単位
原則のルールでは、「日の単位」と「週の単位」の2つでしか残業時間を計算しませんが、1か月変形はそれに加え「月の単位」でも計算します。
月の単位は、その月の暦日数によって変わってきます。


月の暦日数による労働時間
(※)時間数は10進数で表記

この時間を超えた時間を、残業時間として計算します。 なお「月の単位」で残業時間を計算する場合は、「日の単位」「週の単位」で計算した残業時間は除いて計算します。


1か月変形を自社で導入するためには

会社が労働時間を柔軟に運用できる制度ですが、導入する際にやらなくてはいけないことがあります。
具体的には、以下の事項を就業規則または労使協定などに定める必要があります。

(1)対象労働者の範囲
 → 会社の誰を、1か月変形の対象とするかです。
法律上の制限はないので、A部署は1か月変形、B部署は原則のルール、という導入も可能です。

(2)対象期間、起算日
 → 変形労働制を運用する期間をどうするかです。
一般的には、1か月間とすることが多いです。加えて、どの日を起算とするかも定めます。(例:毎月1日を起算とする1か月とする。等)
起算日は、給与計算期間に合わせるのが一般的です。

(3)労働日、および労働日ごとの労働時間
 → 勤務シフト表などで、どの日が労働日なのか?その日の労働時間は何時間なのか?について、あらかじめ決める必要があります。会社が柔軟に勤務シフトを決められる=労働者の生活が不規則になる可能性がある、ということで、事前にこれらを定める必要があります。

(4)労使協定の有効期間
 → 労使協定を締結する場合に必要です。
常時10人以上いる会社であれば就業規則が必ずありますので、その場合は労使協定ではなく、就業規則に定める方が一般的です。


ここまで対応して、1か月変形を導入することが可能になります。
労働時間を柔軟に運用することを認める代わりに、守らないといけないルールが増えるということですね。

次回は、私が今まで3,000社を超える就業規則の改定や作成の相談に携わった中で、よくある1か月変形の間違った運用方法、そしてそのリスクについてお届けします。



KING OF TIME 情報


今回は、以下の3点についてご案内します。

◆ 日単位の残業
◆ 週単位の残業
◆ 月単位の残業



日単位の残業

1か月変形の場合、以下のように日単位の残業時間を計算します。
・8時間超過のスケジュールを組んでいる場合は、スケジュール時間を超過した分が残業時間
・8時間未満のスケジュールを組んでいる場合は、8時間を超過した分が残業時間

KING OF TIMEでは、上記の残業計算に対応できます。
ただし、その場合は毎日のスケジュールをご登録いただく必要があります。


時間外労働の上限規制

☞ 「残業開始時間」はどのように設定すればよいですか?

 >>> 詳しくはこちら

☞ スケジュールを手動で割り当てるにはどうすればいいですか?

 >>> 詳しくはこちら

☞ 「自動スケジュール設定」とは何ですか?

 >>> 詳しくはこちら



週単位の残業

1か月変形の場合、以下のように週単位の残業時間を計算します。
・40時間超過のスケジュールを組んでいる場合は、スケジュール時間を超過した分が残業時間
・40時間未満のスケジュールを組んでいる場合は、40時間を超過した分が残業時間

こちらもKING OF TIMEで対応可能です。
また、「日単位の残業」同様、スケジュールの登録が必要です。


時間外勤務申請

☞ 「変形労働設定機能」とは何ですか?

 >>> 詳しくはこちら



月単位の残業

1か月変形の場合、その月の暦日数によって残業時間の基準時間(指定時間数を越えた時間を残業時間とする)が変わります。
例えば、28日の月であれば160.0時間を超えた分が、30日の月であれば171.4時間を超えた分が残業時間として計算されます。

KING OF TIMEでは、月ごとに残業計算の「基準時間」を設定できます。


アラート通知機能

☞ 「変形労働タイプ」は何を選択すればいいですか?

 >>> 詳しくはこちら



本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
次回も引き続き「1か月単位の変形労働時間制」について、お伝えする予定です。

今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。