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【労基法で考えている管理監督者とは】~ 会社の管理職=管理監督者ではない?! ~

公開日:2020年1月30日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:特定社会保険労務士 馬場栄


労基法で考えている管理監督者とは

今週のピックアップ

【労務情報】
◆ 管理監督者とは
◆ 管理監督者を巡る裁判
◆ 中小企業において管理監督者は都市伝説?!
◆ 管理監督者に該当したとしても
◆ 最大リスクに備えて見直しを!

【KING OF TIME 情報】
◆ 拘束時間(在社時間)の計算

【KING OF TIME セキュアログイン 情報】
◆ KING OF TIME セキュアログインによるPCログ管理
◆ KING OF TIMEと連携してPCログオン時に勤怠打刻


管理監督者とは

労働基準法では、1週40時間・1日8時間の法定労働時間を超えて労働させる場合に、36協定の締結・届出を前提として、残業代を支払うことが義務付けられております。

一方で、労働時間等に関する規定の適用除外として、以下の者に該当する場合は、残業代の支払いが不要となっております。

(1)農業または水産業等の事業に従事する者
(2)監督もしくは管理の地位にある者、または機密の事務を取り扱う者
(3)監視または断続的労働に従事する者で、行政官庁の許可を受けた者

上記(2)が、いわゆる管理監督者となります。
この管理監督者に該当するとして、残業代を支払わない運用を行っている会社は決して少なくありません。

しかし、私どもが今までお会いした企業のお話を伺うと、ほとんどのケースで間違った運用を行っている印象があります。


管理監督者を巡る裁判

管理監督者に該当するか否かを争われた、有名な裁判についてご説明致します。

全国にチェーン展開している飲食業のA社は、各店舗の店長を管理監督者として扱っていました。そこで、ある店舗の店長が「自分は労働基準法の管理監督者には該当しない」として会社を訴え、裁判に至りました。

裁判所は、以下の判断のもと、店長は管理監督者に該当しないとの判決を下し、会社は敗訴しました。

(1)労基法上の管理監督者とは、経営者と一体的な立場で、会社経営に関する決定に参画する者のことである。店長は店舗従業員の採用や人事考課権があるだけであり、会社全体の経営には関与していない。

(2)店長は自分の労働時間を自由に決定できる裁量権はあるものの、実際は月100時間超の残業を強いられており、実質的に労働時間を自由に決定できない状況であった。

(3)店長の平均年収は約700万円で、他の下位職位の労働者と比較すると高いが、一方で人事評価が低いと、他の職位との年収差が小さくなり、ケースによっては下回ることもあり、十分な待遇とはいえない。

他の会社の裁判では、年収が1,500万円超の労働者についても裁判所は否定しており、裁判所はこの管理監督者の取扱いについては、厳格に判断していることが伺われます。


中小企業において管理監督者は都市伝説?!

では、労働基準法でいう「管理監督者」とは、どのような人を指すのでしょうか?
具体的には、以下の4つの要件で判断します。

(1)経営者と一体性がある
経営会議等に参加し、かつ発言権があるかどうか。
店長などの責任者として役職であったとしても、その店舗や部署の経営についてのみ権限が付与されており、会社全体の経営についての方針決定などに参画していないのであれば、管理監督者性は否定されます。

(2)人事考課権がある
人の採用、人事考課(昇給、昇格、賞与等を決定するための評価)、解雇などの権限があるか。
上記に携わっていたとしても、その決定について最終的には本社で行う等であれば、実質的に人事考課権はないとされ、管理監督者性は否定されます。

(3)勤務時間に裁量がある
遅刻、早退等による賃金控除や、人事考課上でのマイナス評価がされていないか。
上記の取り扱いを行っている場合や、例えば店舗などでパート・アルバイト等の人員が足りない場合に、その穴を埋めるために長時間労働をしなくてはいけないようなケースでは、勤務時間に裁量はないとされ、管理監督者性は否定されます。

(4)相当の待遇差がある
経営者と一体的な立場にあるという重要な責任を担っているとして、一般的な労働者と比較して、相応な待遇がなされているか。
長時間労働を行った時の給料を時給単価に置き換えた際に、一般的な労働者の時給単価を下回ったり、昇進して管理監督者になったことで、今まで支払われた残業代がなくなり、以前と比較して給料が少なくなったというようなケースでは、相当の待遇差がないとされ、管理監督者性は否定されます。

上記の4つの要素のいずれかに該当しない場合、管理監督者性は否定されるでしょう。「管理職=管理監督者」ではないのです。

今まで沢山のお客様の労務相談を受けましたが、中小企業においては、この管理監督者に該当する方は役員のみではないかと思います。

会社役員は、そもそも労働基準法上での労働者には該当しませんので、つまり中小企業においては、管理監督者とはもはや都市伝説でないかと思います。

☞ 【参考】労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために(厚生労働省)

 >>> 詳しくはこちら


管理監督者に該当したとしても

労働基準法の管理監督者に該当したとしても、免除されるは「労働時間」「休憩」「休日」のルールのみになります。

つまり、深夜時間帯(22時から翌日5時)に働いた場合に生じる「深夜割増(25%)」は、管理監督者に該当したとしても、支払う必要があります。

また、2019年4月に労働安全衛生法が改正され、管理監督者に該当したとしても、会社は健康管理という観点で、労働時間の把握が義務化されました。
よって、管理監督者であっても、残業が1か月あたり80時間を超えた者から申し出があった場合、会社は医師による面接指導を実施する義務があります。

☞ 【参考】厚生労働省資料

 >>> 詳しくはこちら
※こちらの、P.6(1番下)
「労働時間の状況を把握しなければならない労働者には、裁量労働制の適用者や管理監督者も含まれるか?」をご参照下さい。


最大リスクに備えて見直しを!

管理監督者扱いとしている社員(役職者)は、一般的に賃金が高く、残業時間も多い(長時間労働の)傾向にあります。そのうえ、一切残業代を払っていないとなると、管理監督者性が否定された場合のリスク(未払い残業代の金額)も当然ながら大きくなります。

また、民法改正(2020年4月)に伴い、労働基準法上の賃金債権の時効も、現状の2年から3年に延長される見込みです。対策が後手に回ると3年分まとめて支払いが必要となる事態に陥る可能性もあります。

さらに、残業代が不要だからと長時間労働を看過していると健康への影響も懸念されます(そのため安全衛生法も改正されています)。

管理監督者か否かの問題が起こる大きな原因の1つは、対象者が体調を崩し(亡くなって)、働けなくなった時です。本人は言わなくても(納得していても)、ご家族やその関係者に会社または社長や上長が訴えられます。

管理監督者か否か、管理監督者ではなければ未払い残業代はいくらか、それを含めて逸失利益を算定し損害賠償請求となりますので高額となります。

繰り返しとなりますが、裁判所の判断は会社に取っては厳しいものです。前からそうだ、社員は納得しているといった既成概念は一度取り払い、まずは、前述の要件などに照らして、現状の確認をお勧めいたします。



KING OF TIME 情報


管理監督者であっても、労働時間を適切な方法で把握することが法律で義務付けられています。
労働時間や残業時間の実態を把握するのに役立つ機能について、ご案内します。

◆ 拘束時間(在社時間)の計算



拘束時間(在社時間)の計算

毎日の勤務の中で、「労働時間」とは別に「拘束時間(在社時間)」が発生します。
本製品では、「拘束時間(在社時間)」の計算方法は2通りございますので、それぞれの計算方法をご案内します。

◎ 打刻時刻から計算する
出勤打刻時刻 ~ 退勤打刻時刻までの「拘束時間(在社時間)」を算出します。


拘束時間(在社時間)の計算①


◎ 出勤予定前・退勤予定後の労働時間の取り扱いに従って計算する
雇用区分設定内、「出勤予定前の労働時間の取り扱い」「退勤予定後の労働時間の取り扱い」の設定に従って「拘束時間(在社時間)」を算出します。


拘束時間(在社時間)の計算②

※デフォルトの設定は「打刻時刻から計算する」です。
 設定変更をご希望の場合は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

詳しくは、以下のヘルプをご参照ください。

☞ 在社時間(拘束時間)を算出することはできますか?

 >>> 詳しくはこちら



KING OF TIME セキュアログイン 情報


◆ KING OF TIME セキュアログインによるPCログ管理
◆ KING OF TIMEと連携してPCログオン時に勤怠打刻



KING OF TIME セキュアログインによるPCログ管理

PCのログイン・ログオフの履歴も、従業員の労働時間の実態を把握するのに役立ちます。
社用PC認証を強化するクラウド型システム「KING OF TIME セキュアログイン」は、PCのログオン・ログオフの時間を全て記録します。


「KING OF TIME セキュアログイン」によるPCログ管理

☞ KING OF TIME セキュアログインとは?

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KING OF TIMEと連携してPCログオン時に勤怠打刻

「KING OF TIME セキュアログイン」を「KING OF TIME」と連携することでPCログオン・ログオフを打刻に利用できます。


KING OF TIMEと連携してPCログオン時に勤怠打刻

☞ KING OF TIMEと打刻連携すると出退勤はどのように処理されますか?

 >>> 詳しくはこちら



以上、「労基法で考えている管理監督者」についてご案内いたしました。
本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
次回は「【法改正情報】女性活躍推進法の改正」について、お伝えする予定です。

今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。