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労務情報

貴社の就業規則はいつ見直しをしましたか? ~見直しのチェックポイント・タイミングなど~

公開日:2022年1月27日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 


貴社の就業規則はいつ見直しをしましたか?

今週のピックアップ

【労務情報】
◆就業規則見直しの必要性
◆就業規則が古い場合のリスク
◆法改正対応は社内での運用方法も要検討
◆時代や環境の変化への対応
◆就業規則が古くなってしまうケース
◆就業規則を見直ししていない会社によく見られるケース

【KING OF TIME 情報】
◆ 従業員グループとは
◆ 従業員グループの活用法
☞ KING OF TIME 情報は 《 こちら 》


就業規則見直しの必要性

ここ数年、働き方改革の推進にともない労働法を中心に、育児やハラスメントなどについて、さまざまな改正が行われてきました。加えて、近年のインターネットやSNSの普及もあり、労働に関する法律、環境や条件等に関する世間や社員の方々の意識や関心、情報の量・レベルも高まってきています。

都道府県労働局、各労働基準監督署内等に設置された総合労働相談コーナーに寄せられた相談件数は13年連続で100万件を超え、高止まりしており、上記のようなことも少なからず影響しているものと考えられます。

会社はトラブル防止や社員が安心して働ける環境づくりも含め、より丁寧にコンプライアンス対応や労務管理をおこなっていくことが求められてきていると言えるでしょう。

就業規則が古い場合のリスク

法律の改正や会社を取り巻く環境の変化等を踏まえ、就業規則も見直し、必要に応じて変更しておかなければなりません。なぜなら、就業規則とは、会社のルールを示すものであり、ルールが明確になっていることにより、社員の方々に安心感を与えたり、トラブル発生の抑止に加え、いざトラブルが起きた際には対応の拠り所となるものです。それが現行の法律や自社の実態等にそくしていない場合は、会社にとって以下のようなリスクが考えられます。

・就業規則を守っていても、法違反となってしまう。
・ルールが現状に合っていない(古いまま、決まりがない)と、いざという時に場当たり的な対応となってしまう。またそれにより社員に不信感を与えてしまう。
・トラブルが起きた際に、基となるルールが現状に合っていない(古いまま、決まりがない)と対処できない。
・ルールがないためにトラブルが起きてしまう。

など

法改正対応は社内での運用方法も要検討

就業規則見直しの必要性については、冒頭でも触れましたが、一番分かりやすい理由としては、労働基準法等、法律の改正に対応することが挙げられます。
下記は働き方改革に関連した法改正の一覧ですが、働き方改革に関わるものだけでも、ここ数年で多くおこなわれています。

<参考>働き方改革推進関連法の概要と施行日一覧表(山梨労働局)
 >>> 詳しくはこちら

法改正に対応するには、その情報を得て、単に就業規則に入れるだけでなく、法改正の内容をよく理解し、会社の状況も踏まえ、どのような運用をおこなっていくか、社員に周知していくかなども具体的に検討し、落とし込んでいく必要があります。
また、会社で新たな管理業務が発生したり、これまでの有休管理や勤怠管理などをより丁寧に行う必要が生じる場合もあります。それを誰がどのように行うのか(手作業でやるのか、システムを活用するのかなど)についても考えていく必要があります。

ご担当の方が通常の業務に加え、法改正の情報収集を常々おこない、法律の理解、社内ルール・運用(システム活用含む)への落とし込みなどを検討し進めるのは、サブ的な業務としては負担感が大きく、なかなか簡単なことではありません。前述のリスクも考慮し、できれば専門家など外部リソースを活用した方が効率の面からもよいでしょう。

<参考>厚労省人事労務マガジン
 >>> 詳しくはこちら
※労務関連情報収集の一助として、下記ご活用ください。

時代や環境の変化への対応

こちらも冒頭で触れましたが、都道府県労働局等に設置された総合労働相談コーナーに寄せられる相談件数は13年連続で100万件の高止まりとなるなかで、そのうちの2割程度が民事上の個別労働紛争の相談となっています。

ここで注目したいのが、個別労働紛争の相談内容の上位が下記のように変わってきているということです。10年ほど前までは解雇が多かったですが、今ではいじめや嫌がらせ(ハラスメント)が群を抜いて多くなっています。また、解雇よりも自己都合退職に関わるものの割合が多くなってきているなどの変化も見られます。

<参考>「令和2年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します(厚生労働省)
 >>> 詳しくはこちら

【相談内容     H23年度 →R2年度】
解雇        18.9% →10.9%
いじめ・嫌がらせ  15.1% →22.8%
自己都合退職     8.5% →11.4%
労働条件の引き下げ 12.1% → 9.3%

人手不足の影響などにより、辞めさせられたよりも、辞めさせてもらえない。と言ったケースも増えていると考えられます。また、ハラスメントなどについて、今まで問題が表面化しなかったり、声が上げられていなかった(上げづらかった)ことが、現在では問題として認識され、声が上がるようになってきたことも一因と考えられます。

上記はあくまで一例ですが、時代や環境によって労使間で起こりやすいトラブル(の内容)も変化しますので、そうした観点からも、就業規則を見直すことをお勧めいたします。

就業規則が古くなってしまうケース

前述の法改正や時代や環境の変化への対応だけでなく、以下のような場合にも就業規則が実態とズレたものになってしまうため注意が必要です。

■会社ルールの変更
就業時間や休日数などが変更しているが就業規則は変更されていない。

■雇用形態の変更
今までは正社員だけで、新たにパート、アルバイト、嘱託社員を雇用したがそれら社員に対する就業規則がない。

■勤務制度の変更
過去は1日8時間、週5日勤務だけだったが、現在では、時短、変形労働制(1か月、1年、フレックス)、テレワークなど別の形で勤務させてはいるが、就業規則に記載がない。

■給与手当の変更
新しい手当の支給、名称や支給ルールの変更など行ったが就業規則(賃金規程)に反映していない。

など


就業規則を見直ししていない会社によく見られるケース

あまり就業規則の見直しをされていない会社が行っていることとして、よく見られることの中に次の2つが挙げられます。管理監督者や定額(固定)残業制に関わるものです。特にこれらを残業代対策とされている会社に多く見受けられます。

■管理監督者
・役職者だからと言う理由で残業代の支給対象外としている。
・課長以上を管理監督者扱いとし、残業代を支払っていない。

■定額残業制
・基本給に残業代を含めている。
・年俸制だからと言う理由で残業代を払っていない。
・営業手当を残業代のつもりで払っている。
・残業代を一定額払うがそれ以上は払わない。
※共通して、管理監督者、定額残業制だからと言う理由で時間管理をしていない。
など

時間管理については、定額残業制を導入しているからといって、労働時間を把握しなくてもよいというわけでなく、きちんとおこなっておく必要があります。
管理監督者においても、元々、深夜割増支払いのためには必要であることに加え、安全配慮の観点から労働時間の把握が義務つけられました。
※管理監督者、定額残業制の詳細、ポイントについては、下記ご参考ください。

<参考>【労基法で考えている管理監督者とは】~ 会社の管理職=管理監督者ではない?! ~ 
 >>> 詳しくはこちら

<参考>意外なところに落とし穴?定額残業制のポイント 
 >>> 詳しくはこちら

似たような話では、事業場外みなし労働時間制や裁量労働制を導入された会社におかれましても、制度導入の条件と形式、実態や運用があっているかも一度見直しをお勧めいたします。

こうした点についても、以前は問題になりづらかった(表面化しづらかった)ことに、世の中の認識が改まってきています。そのため、トラブルも起こりやすくなっていますので注意が必要です。
「うちは前からこうだから」「社員の人はわかってくれている」と言うお話もよく聞きますが、時代や環境の変化とともに、社員の方々の認識や考えも変わってきたり、新しい人が入ってくると別の価値観を持っていたりするとそうしたことも通用しなくなりえます。
そうした観点からも就業規則とともに、今の制度や会社の考え方についても見直しを掛けていきましょう。





KING OF TIME 情報


今回は、「従業員グループ」についてご案内いたします。

◆従業員グループとは
◆従業員グループの活用法

従業員グループとは

所属や雇用区分とは別に従業員をグループ分けできる機能です。所属や雇用区分をまたいでグルーピングでき、1人の従業員を複数のグループに紐付けることも可能です。
従業員グループ単位で勤怠や休暇の管理、データ出力も可能となります。

☞「従業員グループ」とは何ですか?

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従業員グループの活用法

「バースデー休暇」を取り入れている企業の一例をご紹介いたします。
※「バースデー休暇」とは…誕生月に特別休暇を1日付与している休暇制度のことです。
まずは、誕生月ごとに従業員グループを作成し、従業員を追加します。

年末年始の設定

休暇区分設定にて、バースデー休暇を減算タイプで作成します。
※環境によって、休暇設定が異なりますので自社環境をご確認ください。
1人1人に付与を行っていた作業が、従業員グループを使用することで、グループ毎まとめて付与することができるため、工数削減に繋がります。

☞特定の期間内でのみ取得できる休暇を設定できますか?

 >>> 詳しくはこちら


本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。


監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント

 
 
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