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労務情報

健康診断は実施して終わりではない!? ~定期健康診断実施後の対応&就業規則のチェックポイント~

公開日:2021年9月22日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 


~定期健康診断実施後の対応&就業規則のチェックポイント~

今週のピックアップ

【労務情報】
◆健康診断実施後のチェックポイント
◆健康診断FAQと就業規則規定のポイント
◆「コラボヘルス」と会社が行う「健康経営」
◆地域産業保健センターの活用

【KING OF TIME 情報】
◆有休付与対象者とは
◆有給休暇付与機能の活用方法
☞ KING OF TIME 情報は 《 こちら 》


厚生労働省では、毎年9月を「職場の健康診断実施強化月間」とし、労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断の実施、その結果についての医師の意見聴取、その意見を踏まえた就業上の措置の実施の徹底を集中的・重点的な啓発を行っています。

そのなかで、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた健康診断の実施に係る対応については、健康診断実施機関の予約が取れない等の事情により、やむを得ず法定の期日までに実施することが困難な場合、可能な限り早期に実施できるよう計画を立て実施することとされています。

☞<参考>9月は「職場の健康診断実施強化月間」です(厚生労働省)
>>>詳しくはこちら


健康診断実施後のチェックポイント

「職場の健康診断実施強化月間」重点事項
1.健康診断及び事後措置等の実施の徹底
2.健康診断結果の記録の保存の徹底
3.一般健康診断結果に基づく必要な労働者に対する
医師又は保健師による保健指導の実施

社員に対して、漏れなく健康診断を受けさせることに多くの会社が注力されています。一方で、健康診断実施後の対応が不十分で、労働基準監督署が来た際には指摘される会社も多く見受けられます。改めて、定期健康診断実施後の対応について確認しておきましょう。

(1)健康診断個人票の作成、保存
健康診断の結果は、5年間保存しておきます。

(2)健康診断の結果についての医師等からの意見聴取
健康診断の結果に基づき、健康診断の項目に異常の所見のある労働者について、労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師(歯科医師による健康診断については歯科医師)の意見を聴かなければなりません。

(3)健康診断実施後の措置
上記(2)による医師又は歯科医師の意見を勘案し、必要があると認めるときは、作業の転換、労働時間の短縮等の適切な措置を講じる必要があります。

(4)健康診断の結果の労働者への通知
健康診断結果は、社員に通知が必要です。

(5)健康診断の結果に基づく保健指導
健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要がある労働者に対し、医師や保健師による保健指導を行うよう努めなければなりません。

(6)健康診断の結果の所轄労働基準監督署長への報告
常時50人以上の労働者がいる会社は、定期健康診断の結果を遅滞なく、所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。

☞<参考>健康診断の法令順守チェックシート(厚生労働省)
>>>詳しくはこちら

健康診断FAQと就業規則規定のポイント

「職場の健康診断実施強化月間」重点事項
4.新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた
安衛法等に基づく健康診断の実施に係る対応

冒頭に記載したとおりですが、コロナ禍においても定期健康診断は実施しなければなりません。対象の社員の方々にも、健康診断の受診義務がある旨、周知し、理解してもらいましょう。

(1)年1回の定期健康診断実施の対象社員(パート・アルバイト)は?
常時使用する社員に実施する必要があります。
常時使用する社員とは次の①かつ②に該当する方です。

①1年以上使用される予定の者、契約更新により1年以上引き続き使用されている者
②労働時間が通常の労働者の週の労働時間の4分の3以上である者
なお、上記①で週の所定労働時間数が2分の1以上4分の3未満のパート・アルバイト(短時間労働者)に対しても実施することが望ましいとされています。

☞<参考>パートタイム労働者の健康診断を実施しましょう!!(厚生労働省)
>>>詳しくはこちら

(2)定期健康診断の費用は会社が負担する?
健康診断実施は、労働安全衛生法で会社の義務とされていますので、費用は当然会社が負担することになります。ただし、法定の検査項目以外のものについてまでは、会社が負担する必要はありません。

(3)定期健康診断に要した時間は労働時間(賃金を払う必要あり)となる?
一般健康診断は、一般的な健康確保を目的として会社に実施義務を課したものであり、業務遂行との直接の関連において行われるものではないため、必ずしも労働時間とはならず、任意で決められます。
ただし、労働者の健康確保は、事業の円滑な運営に不可欠な条件であり、対象社員にスムーズに受診させるために、一般健康診断の実施に要した時間に対する賃金は会社が支払うことが望ましいとされています。法定の有害業務に従事する社員に受けさせる健康診断は労働時間(賃金支払い必要)となります。

(4)会社が実施する健康診断を受けることを拒否する労働者への対応は?
社員にも受診義務があります。労働安全衛生法に規定された健康診断については、社員は受診義務を負っており、会社は、受診命令に従わない社員に対して懲戒処分をもって対処することも可能ではあります。
ただし、一足飛びに懲戒処分とするのではなく、社員に対する受診の督促、労働者の弁明の聴取、懲戒の説明や予告、社内規定の整備等、会社ができる限りの手段を尽くす必要があります。

上記の内容を踏まえ、就業規則にも定期健康診断の対象者や受診義務に加え、受診時の労働時間の取り扱い、費用負担などについても定めておくとよいでしょう。

さらに、受診しない場合に懲戒処分の対象となることや、健康診断の結果、要再検査や精密検査となった場合に、それらの検査を受けることも規定しておきましょう。

「コラボヘルス」と会社が行う「健康経営」

「職場の健康診断実施強化月間」重点事項
5.医療保険者が行う特定健康診査・保健指導との連携
6.定期健康診断のうち特定健康診査に相当する項目の結果の医療保険者への提供等

会社から健康保険組合等への健康診断の結果の情報提供により、コラボヘルス等が推進され、労働者の健康保持増進につながることから、定期健康診断のうち特定健康診査に相当する項目の結果の提供することが義務となっています。

なお、健康保険法が改正され、令和4年1月より、特定健康診査の対象とならない40歳未満の労働者の定期健康診断結果についても、保険者から求められた場合の提供が事業者に義務づけられました。

■コラボヘルスとは?
健康保険組合等(データヘルス)と会社(健康経営)が積極的に連携し、明確な役割分担と良好な職場環境のもと、加入者の予防・健康づくりを効率的・効果的に実行することです。

会社が行う健康経営の実効性を高め、"攻めの健康経営・健康投資"を推進していくためには、会社と健康保険組合等の医療保険者が連携し、医療保険者が実施するデータヘルスと一体的に推進することが重要であり、相乗効果も期待されます。

「データヘルス」とは、厚生労働省が推進する取り組みで、医療保険者が健康医療情報を活用し、加入者の健康状態に即したより効果的・効率的な保健事業を指します。近年、健診やレセプトなどの健康医療情報は、特定健診制度の導入やレセプトの電子化にともない、その電子的管理が進んでいます。これにより、従来は困難だった電子的に保有された健康医療情報を活用した分析が可能となってきました。

一方「健康経営」は、経済産業省が推進する取り組みで、会社が従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上等につながると期待されます。

☞<参考>コラボヘルスガイドライン(厚生労働省)
>>>詳しくはこちら

■健康経営
健康経営については、会社として何か目新しいことに取り組む必要はありません。残業時間の削減や年次有給休暇の取得率アップ、そして例えばリフレッシュ休暇などの特別休暇を設けるといったこともその一環です。

これにより既存の社員の満足度向上のみならず、こうした取り組みを社外に発信することで求職者へのアピールにもなり、採用面での効果も期待できます。

なお、健康経営の中では、「アブセンティズム」と「プレゼンティズム」という2つのキーワードがあります。アブセンティズムとは、心身に健康上の問題があって、遅刻や早退、欠勤や休職により働けない状態を指します。プレゼンティズムとは、会社に出勤(勤務)しているにもかかわらず、心身に健康上の問題があってパフォーマンスが上がらない状態を指します。

どちらも会社にとって対処すべき問題ですが、特に後者のプレゼンティズムは、表向きは分かりづらく、気づかぬうちに問題が大きくなったり、見えない損失が出ていることもあるため、そうした問題もあるということも認識の上、改善への取り組みを進めていく必要があります。テレワークの場合もこれと似たような状態であるため、より丁寧な対応が必要と言えます。

☞<参考>健康経営(経済産業省)
>>>詳しくはこちら

地域産業保健センターの活用

「職場の健康診断実施強化月間」重点事項
7.小規模事業場における産業保健総合支援センターの地域窓口の活用

労働者数50人未満の会社が独自に医師を確保し、労働者に対する保健指導、健康相談などを行うことは容易ではありません。前述の健康診断結果についての医師からの意見徴収なども、どこに依頼すればよいかわからないといった会社もあるでしょう。

こういった小規模な会社とそこで働く社員が、充実した産業保健サービスを受けられるよう、労働基準監督署管轄区域ごとに産業保健総合支援センターの地域窓口を設けており、こうした会社や社員を対象に、以下のような産業保健サービスを原則として無料で提供していますので、活用するとよいでしょう。

○相談対応
・健康診断結果についての医師からの意見聴取
・メンタルヘルスを含む労働者の健康管理についての相談
・長時間労働者に対する面接指導など

☞<参考>地域窓口:地域産業保健センター(独立行政法人労働者健康安全機構)
>>>詳しくはこちら




KING OF TIME 情報


前回に引き続き、有休付与対象者について、
事前設定完了後の有休付与方法をご案内いたします。

◆有休付与対象者が表示されたら
◆有休付与方法について

有休付与対象者が表示されたら

「対応が必要な処理」に[有休付与対象者]が表示されます。
クリックすると、[有休付与対象者画面]に遷移いたします。
管理者は自動計算された出勤率や付与日数などが正しいか確認のうえ、付与の操作を行います。

1年単位の変形労働設定

1…初回付与が行われるまでは入社年月日、それ以降は前回付与日が表示されます。

2…雇用区分設定 > 休暇関連 > [有休付与関連設定]によって選択された「入社日基準」か「付与日基準」が表示されます。

下記画像のように設定した場合は「入社日基準」となります。
1年単位の変形労働設定

3
…週所定労働日数の選択によって「契約日数」または「労働日数」が表示されます。
下記画像のように設定した場合は「契約日数」となります。
1年単位の変形労働設定

4
…有休付与日数選択方法によって以下の内容を表示します。
「契約日数」の場合:設定されている週所定労働日数を表示します。週所定労働日数が未設定の場合は、セルが黄色く表示され、付与日数の自動計算が行われません。
「労働日数」の場合:有休付与関連設定 > 比例付与日数の「年間所定労働日数」を参照し、年間勤務日数に応じた週所定労働日数を()内で表示します。週所定労働日数が0日に該当する場合は、黄色表示されます。

5…休暇付与のための基準期間内日数を表示します。

6…期間内日数のうち、有休付与関連設定で「全労働日」と指定された日数を表示します。

7…期間内日数のうち、有休付与関連設定で「勤務日」と指定された日数を表示します。

67について下記の設定箇所を参照します。
1年単位の変形労働設定

8
…勤務日数 / 全労働日数 = 出勤率として表示します。
有休付与のための最低出勤率(80%)に満たない場合は、黄色表示されます。

9…付与される日数を表示します。0日の場合は赤色表示されます。
管理者は算出された有休日数が異なる場合、付与したい日数を入力します。

10…有休を付与する日を表示します。

11…入社日から付与日までの勤続年数を表示します。

有給休暇付与方法について

[有休付与対象者画面]の右側に付与・棄却・保留の選択ボタンが表示されています。
付与・棄却・保留のそれぞれのボタンの右側[すべて]をクリックすると有休付与対象者としてあがっている従業員を一斉に選択することが可能です。

デフォルトでは保留が選択されています。
管理者は付与か棄却を行う場合、該当するボタンを選択し、[有休付与ボタン]をクリックします。

1年単位の変形労働設定
☞有休の付与はどのように行ないますか?
>>>詳しくはこちら

本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。


監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント

 
 
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