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労務情報

間違った労働時間の管理をしていませんか? ~多様な働き方に対応するための労働時間の管理とは~

公開日:2021年4月8日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 


間違った労働時間の管理をしていませんか? ~多様な働き方に対応するための労働時間の管理とは~

今週のピックアップ

【労務情報】
◆労働時間管理を見直すべき背景
◆労働時間とは?
◆外出が多い営業職の労働時間の把握方法
◆在宅勤務の労働時間の把握方法
◆在宅勤務でのフレックス・事業場外みなし制度の注意点
◆勤務終了後の自習や研修も労働時間?
◆兼業・副業時に注意すべき労働時間の管理


【KING OF TIME 情報】
◆年別データとは
◆年別データの活用法
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労働時間管理を見直すべき背景

労働時間は、給与や残業代の計算根拠となることはもちろんですが、労働時間の把握義務を果たしているかどうか、時間外労働の上限規制(下図参照)を遵守できているかなど、使用者として多くの履行義務にも関わる問題です。働き方改革法案が施行され、労働行政は、これまで以上に長時間労働の是正に力を入れています。

行政対応だけでなく、民事上も民法改正に伴い時効が延長されたことによって、弁護士などの専門家が労働者側に立って残業代請求するケースも今後増加すると考えられます。未払い残業が発生している場合には、これまで以上に企業に対するダメージは大きなものとなります。

多くの企業で残業代はきちんと払っていると思いますが、中には意図せず誤った労働時間の管理をしていたため、想定外の残業代請求を受けてしまったということにならないように注意が必要です。

また、副業や在宅ワークなどの多様な働き方への対応するため、従来の労働時間の管理方法では不十分となる場面が出てくる可能性があります。

労働者人口の減少、労働者の働く意識の変化、育児・介護を担う労働者への配慮など、労働環境が変化していく中で、企業に求められる労務管理の環境も変化していきます。そのためには、適正な労働時間を管理することがスタートラインになります。

【時間外上限規制の内容】 参考画像1

長時間労働に関する問題点については、こちらのブログもご参照ください。

☞ 【長時間労働が抱える問題点】~負のスパイラルに陥る前に~

 >>> 詳しくはこちら


労働時間とは?

労働基準法が定義する労働時間とは、労働者が「使用者の指揮命令下に置かれている時間」のことをいいます。
これは必ずしも、精神的または肉体的な活動を行っていることが条件ではありませんし、業務上の指示が明示されていない場合でも労働時間として判断されます。
例えば始業前であっても、次のようなケースは労働時間としてカウントする必要があります。

・作業前に更衣室で着替えることが義務付けられている着替え時間
・義務的に行われる朝礼、ミーティング、準備運動など

一方で、入退門で打刻した後、更衣室までの移動時間や頻度・義務的な要素が低い業務引継ぎや準備運動などは、労働時間としてカウントしなくても問題ない可能性が高くなるということになります。

終業後についても、作業上必要な清掃や機械点検、業務引継ぎなどは労働時間となりますし、他方、着替えの要否について就業規則などで取り決められていないような場合(制服のまま帰宅しても問題ないような場合)は、労働時間とはなりません。

休憩時間についても、労働からの解放が保障されておらず、手待ち時間と認められれば労働時間となります。例えば、来客対応や電話対応が求められている休憩時間は手待ち時間として労働時間と考えられます。

また、労働者が自主的に残業を行い会社がこれを黙認していた場合、使用者の指揮命令下にあると判断される可能性もあり、労働時間となるかどうかは就業規則や雇用契約書の定めのほか、勤務実態にも注意しておく必要があります。


外出が多い営業職の労働時間の把握方法

営業職のような形で仕事をしている方はもちろん、新型コロナウィルスで在宅ワークをはじめとするリモートワークを導入し始めた企業の中には、適切な社員の労働時間の把握方法がわからないという人事担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。改めて、就業時間中の労働時間の把握方法についてご案内します。

営業職の方であれば事業所から取引先、または取引先Aから取引先B、といった具合に移動時間はつきものです。この移動時間については、会社の業務命令に基づく移動であるため、移動時間も労働時間として考えられます。

しかしながら、取引先Aの集合時間は9:00、次の取引先Bへの集合時間が14:00といったケースで、移動に必要な時間として1時間の間が空く場合まで労働時間として取り扱う必要があるのかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

労働時間とみなされないためには、休憩時間として労働からの解放が保障されていなければなりません。通常、こういった空き時間についても、次の取引先での商談資料の準備や、会社・取引先からの連絡があった場合の対応義務が課されているので、労働時間としてカウントしなければならないということになります。


在宅勤務の労働時間の把握方法

在宅勤務を導入した企業では、きちんと労働しているかどうかわからないので、「出勤から退勤までの時間をそのまま労働時間として考えていいのかわからない」というご相談もよくお受けします。

労働時間の管理方法としては、どの時間帯に何の仕事をしていたかを報告させるという業務タスクによる管理方法がありますが、労働者の過負担にならないように、アプリケーションソフトを使うなどの配慮は必要でしょう。また、テレワーク導入前にそういった業務管理をしていなかった場合には、労働者から「信用されていない気がする」などの反発を受けてしまう可能性もありますので、モチベーションの観点でも注意が必要です。

その他には、労務管理ツールでPCのログイン・ログオフ状況を把握する方法や、オンライン会議システムを常時接続し(音声のみ等、プライバシーへの配慮は必要)、常にコミュニケーションが取れる環境にしておくといった方法もありますが、いずれの方法が合うか、企業風土に馴染むかどうかという観点から選択するべきです。


在宅勤務でのフレックス・事業場外みなし制度の注意点

また、フレックス制度の導入を検討する企業もあるかと思います。在宅ワークの場合、自宅を就業場所とするわけですから、労働者が労働時間を自由に選択することは、働き方としてもマッチしている場合もあります。

ただし、フレックス制度を導入したからといって、労働時間を管理しなくてもいいというわけではありません。深夜帯に勤務していれば、深夜割増手当を支払う必要がありますし、在宅ワークはプライベートと仕事との切り分けが難しく、長時間労働になりがちということもありますので、健康管理の面からも労働時間の管理は必要です。

過去のブログでフレックスタイムや在宅ワーク導入についてご紹介していますので、こちらをご参照ください。

☞ 在宅勤務における労務管理のポイント(その1)

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


☞ フレックスタイム制を検討する際のポイント~外してはいけないフレックスのルール~

 >>> 詳しくはこちら


事業場外みなし労働時間制は使えないのかとご質問いただく場合もありますが、事業場外みなし労働制が適用されるためには、「労働時間を算定しがたい」と認められる必要があります。

現代では、多くの営業社員はスマートフォンやPCなどで常時会社と連絡が取れる状況にあることが多いと思います。そのことだけで「労働時間を算定しがたい」となるわけではありませんが、実務上はほとんどの場合で要件を満たすことはありません。

事業場外みなし制度については、過去のブログで詳しくご紹介していますので、こちらもご参照ください。

☞ 在宅勤務における労務管理のポイント(その2)

 >>> 詳しくはこちら


勤務終了後の自習や研修も労働時間?

勤務終了後に自宅に帰って自主的に勉強する時間は、労働時間として認める必要はありませんが、その学習が使用者の指示により業務に必要な知識習得のためであれば、労働時間にあたる可能性があります。もし、その学習時間が1日8時間通常勤務をした後であれば、時間外割増手当の支払いが必要ということになります。

ただ、実務的な側面から考えれば、労働者が本当に自宅で自習をしていたかどうかの把握は難しいですし、労働者側が事後的に労働時間として賃金を請求する場合でも立証するのは難しいです。

しかしながら、こういったトラブルを未然に防ぐために企業側としても通常業務の時間内で収まらないようであれば、どのぐらいの時間を労働時間としてみなすのか、みなさない場合には自宅に持ち帰ってまで学習する必要はないことを明示しておくということが好ましいと言えます。

また同様に、勤務終了後に研修に参加させる場合、福利厚生的な意味合いで実施され、参加が任意であるようなケースであれば、労働時間と考えられる可能性は低いですが、業務との関連が密接であり、課題提出義務や参加しない場合に人事評価などで不利益が生じる場合には、労働時間として考えられるということになります。


兼業・副業時に注意すべき労働時間の管理

今後、副業を認めていこうと考えていく企業もあるかと思いますが、フリーランスなどではなく、労働者として雇用される場合には、副業先で働いている労働時間も通算することになっています。

過去の記事でもご紹介していますが、本業・副業先の業務時間を通算して1日8時間を超えて働いた場合、残業代の支払いについては、労働契約の時間的な先後で判断されるため、通常は副業先で負担することになります。

ただし、次のようなケースでは本業の会社で時間外労働に対する割増賃金残業代を負担する必要があります。

例:ある日について、本業の所定労働時間が7時間、副業先での所定労働時間が1時間であることを本業の会社が把握している状況で、本業の会社が1時間残業させた場合。

参考画像2

こういった労働時間管理の煩雑さがあるため、厚生労働省のガイドラインでは、予め副業元・副業先で、それぞれの会社での時間外労働の上限を決めておく方法(管理モデル)も紹介されていますので、ご参照ください。

☞ <参考>厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


また、副業を認める場合には労働時間管理以外にも注意すべき事項があります。過去のブログでご紹介していますので、こちらもご参照ください。

☞ コロナをきっかけに「副業」の注目度がUP?!~企業が注意すべき点。これからの法改正は?~

 >>> 詳しくはこちら


労働時間の管理については、会社の取扱いが適切であったとしても、労働基準監督署からの行政調査が入った場合や、労働者から未払い賃金請求を受けた場合、資料収集や書類作成など、人事担当者の大きな負担となります。常日頃から、会社の労働時間の取扱いやその合理性を従業員にわかりやすく示しておくことが重要です。




KING OF TIME 情報


今回は『年別データ』画面についてご案内いたします。

◆ 年別データとは
◆ 年別データの活用法



年別データとは

各月の出勤日数や休暇取得数、労働時間などの集計データが最大12か月分一覧表示できる画面です。

☞ 「年別データ」とは何ですか?

 >>> 詳しくはこちら

残業合計時間

年別データの活用法

以下の項目を併せてご確認ください。


1.集計項目の確認
所属、雇用区分、表示期間(最大12か月)、確認したい項目を選択すると、選択した期間の集計データがご確認いただけます。
例:従業員の4月から1年間の残業時間を確認したい場合

集計項目

2.カスタム作成した項目を表示
通常の集計項目以外にカスタムデータ項目で作成した項目を表示することができます。
例:半年間で「在宅勤務」した従業員を確認したい場合

カスタム作成項目

☞ 集計項目をカスタマイズできますか?

 >>> 詳しくはこちら


☞ 交通費や手当の申請はできますか?(補助項目)

 >>> 詳しくはこちら


3.年別データ[Excel出力]のダウンロード
年別データ画面の[Excel出力]より、集計項目をダウンロードすることができます。

年別データダウンロード


本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。


監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント