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男性の育児休業取得が義務化? ~注意しておきたい育児休業に関するトラブル対応~

公開日:2021年3月11日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 


男性の育児休業取得が義務化? ~注意しておきたい育児休業に関するトラブル対応~

今週のピックアップ

【労務情報】
◆ 男性の育児休業促進の背景
◆ 男性の育児休業とは(現在の法律内容)
◆ 男性版育児休業制度の変更点
◆ 男性社員から育児休業を取得したいと言われたら?
◆ 正しい「マタハラ」の定義を知っていますか?


【KING OF TIME 情報】
◆ 日別データとは
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男性の育児休業促進の背景

厚生労働省の発表では、平成30年度の男性の育児休業取得率は7.48%(女性は83.0%)と過去最高値となりましたが、政府の2020年目標の13%(2025年には30%)には届かず、今後も男性の育児休業取得を促進する動向が続くものと思われます。

直近では、男性の育児休業促進の一環として、産後8週の間が取得できる男性版育休制度(正式名称:出生時育児休業)の新設を検討しており、今年の通常国会で法案として提出される予定です。

原則として、育児休業の申出を受けた使用者は、男性からの申出であったとしても拒むことは出来ません。うっかり「男のくせに…」などと発言し、安易に取得を拒んでしまうようなことをしてしまえば、法違反やハラスメントの問題にもなりかねませんので、しっかりとした知識を社内で共有しておくべきでしょう。


男性の育児休業とは(現在の法律内容)

育児休業とは、子が1歳(最大2歳まで延長可)になるまでの期間の休業を認める制度で、この間、労働者は、雇用保険から育児休業給付金が受け取れたり、社会保険料が免除される制度です。
育児休業は原則1人の子につき、1回までですが、男性の場合、育児休業の特例として、出産後8週間以内に育児休業を取得した場合に、2回に分けて育児休業を取得することが可能となっています。(パパ休暇)
また、妻が育児休業明けのタイミングに合わせて、育児休業を取得した場合、最大1歳2か月までの間、育児休業を取得することができます。(パパ・ママ育休プラス)

例えば、出産直後の大変な時期に一度育児休業し、その後、妻が職場復帰を考えるタイミングで再度育児休業を取得するというようなイメージです。
男性の育児休業を取得させた事業主に対し、両立支援助成金※1が受け取れる制度もあります。

<参考>厚生労働省

☞ 両立支援助成金のご案内(リーフレット)

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


男性版育児休業制度の変更点

男性が、より柔軟に育児休業が取得できるように、今回新設が検討されている出生時育児休業のほか、育児休業の分割取得の回数増加や育児休業の申請タイミングの柔軟化など、様々な変更が検討されています。今回は、3つの変更点をご紹介します。

1.配偶者が産休中の育児休業中の分割取得(新設)
現行制度では、妻が産後休業中に育児休業を取得する場合、妻の産後休業中期間内で分割して取得することができません。(現行制度でも、妻の産後休業中と産後休業後であれば、分割での取得は可能です)そのため、出生直後、里帰りから帰るタイミングなど、産後休業期間中内で離れた期間に育児休業を取得したいような場合は、継続して育児休業を取得するか、一旦、育児休業を終了し、別途、有給休暇等で対応する必要がありました。
改正案では、2回に分割取得することが可能になるため、産後直後に育児休業を取得し、一旦は職場に復帰した後、妻が里帰りから帰るタイミングで再度育児休業が取得できるようになります。

2.配偶者が育児休業中の分割取得(変更)
上記1同様に、妻が育児休業期間中に育児休業を分割で取得することは認められていません。そのため、妻が里帰り直後の時期と職場復帰するタイミングで育児休業を取りたいというような場合は、上記1同様に育児休業を継続しておくか、育児休業以外の方法で対応する必要があります。そのため、妻が育児休業期間中も分割での取得を可能にすることで、一旦職場復帰するようなことも可能になります。

3.1歳以降の育児休業延長の申請時期の柔軟化(変更)
子が保育所等に入所できない場合に、1歳以降も延長して育児休業を取得することができますが、延長する育児休業の開始日が各期間の初日(1歳もしくは1歳半)に限定されています。そのため、各期間の途中で、育児休業をしたいと思っても、取得することはできず、夫婦が途中で育児を交代するというようなことは出来ません。
開始日を柔軟化することで、例えば、妻が1歳2か月で育児休業を終了して職場復帰し、そのタイミングで、夫が育児休業を取得して、夫婦が育児を交代するようなことも可能になります。

改正後の制度イメージ

改正後の育休制度イメージ

出典:厚生労働省「第34回労働政策審議会雇用環境・均等分科会_男性の育児休業取得促進等に関する参考資料集」

なお、今回の法改正では、男性に育児休業を取得させることを義務付けるものではなく、育児休業の対象となる男性に、育児休業を取得する権利があることを個別に周知する措置を義務付けすることや、育児休業取得率の公表などが検討されています。


男性社員から育児休業を取得したいと言われたら?

現在の法律では、以下のように定められています。

<育児・介護休業法第10条>
事業主は、労働者が育児休業の申出をし、又は育児休業をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取り扱いをしてはいけない。

<育児・介護休業法第25条>
事業主は、職場において行われるその雇用する労働者に対する育児休業、介護休業その他の子の養育又は家族の介護に関する厚生労働省令で定める制度又は措置の利用に関する言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

そのため、育児休業を取得しようとした男性社員に対して、上司が「男なのに育休を取るなんてありえない」などと発言し、取得を諦めさせるようなことはあってはなりません。なお、行為者となりうるのは上司だけではなく、同僚も含まれます。上司の場合は1回でハラスメントにあたりますが、相談を受けた同僚が「自分だったら、取らない」「周りのこと考えたら、育休なんかとれない」「戻ってきても仕事ないかもね」などの言動から、繰り返し又は継続的な言動により、育児休業の取得を諦めさせた場合も該当します。

とはいえ、会社としても育児休業による業務の調整は必要ですから、労働者のキャリアなどを考慮して、業務上必要な範囲で、職場への復帰のタイミングを早めてもらうよう促すことは法違反とはなりません。ただし、この場合でも職場復帰のタイミングは、労働者の選択に委ねなければなりません。育児休業を取得させるにあたり、制度の把握はもちろん、どの程度の言動であれば、ハラスメントにあたらないのか十分に理解しておく必要があります。

今回ご紹介した新しい育児休業制度を含め、政府からの働きかけや、共働き世代の増加とともに、今後、男性の育児休業取得者は増えていくことが予想されます。受け入れる企業側としても、法違反やパタハラ(=パタニティーハラスメント)とならないよう、しっかりとした準備が必要です。休業期間中の業務をスムーズに代替できるようにするなど、常日頃から労務管理を行うことが重要になってきます。


正しい「マタハラ」の定義を知っていますか?

マタハラを禁止する法律は次のように定められています。

<男女雇用機会均等法第9条第3項>
事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、そのほかの妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取り扱いをしてはならない。

ここでいう、厚生労働省令で定めるものとは、以下のようなものがあります。
1. 妊娠、出産したこと
2. 産前休業を請求し、若しくは産前休業をしたこと又は産後の就業制限の規定により就業できず、若しくは産後休業をしたこと
3. 妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置(母性健康管理措置)を求め、又は当該措置を受けたこと
4. 軽易な業務への転換を請求し、又は軽易な業務に転換したこと
5. 妊娠又は出産に起因する症状により労務の提供ができないこと若しくはできなかった又は労働能率が低下したこと
6. 事業場において変形労働時間制がとられる場合において1週間又は1日について法定労働時間を超える時間について労働しないことを請求したこと、時間外若しくは休日について労働しないことを請求したこと、深夜業をしないことを請求したこと又はこれらの労働をしなかったこと
7. 育児時間の請求をし、又は育児時間を取得したこと
など。

また、不利益な取り扱いの例は次のようなものがあります。
1. 解雇すること
2. 有期契約労働者の契約を更新しないこと
3. 退職または正社員を非正規社員とするような労働契約内容の変更を強要すること
4. 降格処分、減給、人事考課などの不利益な評価
5. 就業環境を害すること
6. 不利益な配置の変更
7. 派遣先が派遣労働者の役務の提供を拒むこと
など。

そのため、産休制度を利用しようとした女性労働者に対して、解雇を促すようなことはもちろんですが、産後時短で勤務する女性社員について、本人の意に沿わない配置転換をしたり、これまで参加していた会議に参加させないなどの行為もハラスメントに該当します。

上司が妊婦の状態を勘案して、業務分担などで業務量を調整するよう配慮することなどは、不利益な取り扱いには該当しませんが、変更後の労働条件などについて書面でわかりやすい説明を受けたか、労働者の自由な意思決定を妨げるようなことはなかったかなどを考慮して判断されます。

マタハラに限らず、ハラスメントの問題解決のカギは、経営者トップの発信力が重要になってきます。定期的に、ハラスメント問題に関する会社の考え方を共有し、研修や社内セミナーなどで理解を促したり、相談しやすい相談窓口の設置をすることなどで、会社の土壌を整備していくことが肝要になってきます。


<参考>厚生労働省

☞ 職場における妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント対策やセクシャルハラスメント対策は事業主の義務です。

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します

ハラスメントに関する内容は過去のブログもご参照ください。

☞ 職場のハラスメント撲滅月間 ~2020年6月施行のパワーハラスメント防止法について~

 >>> 詳しくはこちら



今回ご紹介したハラスメントなどの労務管理の問題はもちろん、今後、働き方改革が進んでいく中で、これまで以上に法律改正もめまぐるしいものとなっていきます。テレワークや、外国人労働者、高齢者雇用など、働く側の意識も変化していくでしょう。

経営者一人では、対応に苦慮し、また知らず知らずのうちに法違反になってしまっているということも考えられます。重大なトラブルとなる前に、日常的に相談できる社会保険労務士などの専門家を見つけておくこともお勧めいたします。



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今回は、従業員の1日ごとの勤怠確認やシフト作成ができる『日別データ』画面について ご案内いたします。

◆ 日別データとは
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本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
次回は、「試用期間はお試し期間ではない?~会社基準をきちんと伝えましょう~」についてお伝えする予定です。

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監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント