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労務情報

在宅勤務手当は非課税?国税FAQ ~割増賃金計算、最低賃金、社会保険料との関係は?~<後編>

公開日:2021年2月25日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 


在宅勤務手当は非課税?国税FAQ ~割増賃金計算、最低賃金、社会保険料との関係は?~《後編》

今週のピックアップ

【労務情報】
◆ 割増賃金や最低賃金、労働・社会保険料の計算での取り扱い
◆ 割増賃金の計算の基礎から外せる賃金とは?
◆ 最低賃金の対象となる賃金とは?
◆ 割増賃金と最低賃金の基礎となる手当の違いに注意!
◆ 労働保険、社会保険の保険料計算について


【KING OF TIME 情報】
◆ 従業員設定とは
◆ 従業員が退職した際のチェックリスト
☞ KING OF TIME 情報は 《 こちら 》


割増賃金や最低賃金、労働・社会保険料の計算での取り扱い

前回は、在宅勤務手当の課税指針について解説いたしました。
今回は、割増賃金計算、最低賃金、社会保険料の計算における取り扱いについて、解説していきます。

在宅勤務手当について、労務管理上の取り扱いを見ていくと、まず各法律で「賃金・報酬」は下記のように定められています。
割増賃金や最低賃金、労働・社会保険料の計算を行う際の取り扱いは手当によって異なるものもありますが、在宅勤務手当について特に具体的な記載がありません。そのため、一律定額で支給するような場合には、いずれにおいても計算の対象(含めて計算)となると言えるでしょう。

➀ 労働基準法・最低賃金法(割増単価・最低賃金の基礎となる賃金)
この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。

➁ 労働保険徴収法(労働保険料算出の基礎となる賃金)
この法律において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの(通貨以外のもので支払われるものであつて、厚生労働省令で定める範囲外のものを除く。)をいう。
賃金のうち通貨以外のもので支払われるものの評価に関し必要な事項は、厚生労働大臣が定める。

➂ 健康保険法・厚生年金法(社会保険料算出の基礎となる報酬)
この法律において「報酬」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのものをいう。ただし、臨時に受けるもの及び三月を超える期間ごとに受けるものは、この限りでない。
この法律において「賞与」とは、賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が、労働の対償として受けるすべてのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。


割増賃金の計算の基礎から外せる賃金とは?

割増賃金の基礎となる1時間当たりの賃金額を算出する際は、例えば、月給制の場合は、基本給に加え各種手当も含めた賃金の総額を1か月の(平均)所定労働時間時間数で割って算出します。
原則すべての手当が対象となりますが、その際に、下記の手当については、計算の基礎となる賃金から除外することができるとされています。なお、これらの手当は例示ではなく限定列挙されているものであるため、該当しない賃金はすべて含めなければなりません。そのため、毎月支給する在宅勤務手当も例外ではないと言えます。

■ 割増賃金の基礎となる賃金から除外できるもの
➀ 家族手当
➁ 通勤手当
➂ 別居手当
④ 子女教育手当
➄ 住宅手当
➅ 臨時に支払われた賃金
➆ 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)

ただし、上記の手当であっても、下記のような場合は割増計算の基礎に含める必要があるため注意が必要です。

➀ 家族手当:〇 扶養家族の人数またはこれを基礎とする手当額を基準とし算出した場合
       × 扶養家族の有無、家族の人数に関係なく一律に支給する場合
② 通勤手当:〇 通勤距離または通勤に要する実際費用に応じて算定される場合
       × 通勤に要した費用や通勤距離に関係なく一律に支給する場合
➄ 住宅手当:〇 住宅に要する費用に応じて算定される場合
       × 住宅の形態ごとに一律に定額で支給する場合

会社によっては、役職手当や営業手当、皆勤手当などを除外しているケースもよく見かけますが、法的に除外することはできません。また、年俸制の場合の賞与については、あらかじめ支給額が決定している場合、臨時的ではないため、割増賃金の基礎に含める必要があるので注意が必要です。

<参考> 1か月の賃金 ÷ 月の平均所定労働時間数
※月の平均所定労働時間数 =(365日- 年間休日数)× 1日の所定労働時間数 ÷ 12か月

<参考>厚生労働省HP

☞ 割増基礎の基礎となる賃金とは?

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


最低賃金の対象となる賃金とは?

最低賃金の対象となる賃金は、ひと言で言うと、「毎月支払われる基本的な賃金」です。ただし、実際に支払われている賃金から以下の賃金を除いたものが最低賃金の対象になります。そのため、毎月支給する在宅勤務手当は含めてよいことになります。

■ 最低賃金から除くもの(対象外)
➀ 結婚手当など   :臨時に支払われる賃金
➁ 賞与など     :1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
➂ 時間外割増賃金など:所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金
④ 休日割増賃金など :所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金
➄ 深夜割増賃金など :午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分
➅ 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

ここで注意したいのが、精皆勤手当です。
精皆勤手当は「遅刻・早退・欠勤などあると支給しない」とされている会社が多いと思いますが、支給しない場合があるため(精皆勤手当含めて最低賃金をクリアしていても、支給しない場合、最低賃金を下回ることから)、最低賃金の計算の基礎に含めることができません。

<参考>厚生労働省HP

☞ 最低賃金の対象となる賃金

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


割増賃金と最低賃金の基礎となる手当の違いに注意!

一方で、精皆勤手当は、時間外割増等を計算する際には、計算の基礎に含める必要があるため、こちらも注意が必要です。
精皆勤手当とは逆に、住宅手当は最低賃金の対象に含まれますが、割増賃金の計算の基礎には含めなくてもよい(一律支給の場合などは除く)手当です。

計算の基礎(対象)に含めるか否かについては、割増賃金と最低賃金とでは取り扱いが異なる手当もあるため、混同しないように整理しておきましょう。

また、精皆勤手当については、前述のように最低賃金には入れられないが、割増賃金の基礎には入れなければならないという、ある意味使い勝手の悪い手当とも言えます。こちらの手当がある場合は、その意義や効果なども改めて確認し、場合によっては基本給や別の手当に割り振ることを検討されてみてもよいかもかも知れません。



労働保険、社会保険の保険料計算について

例えば、通勤手当については、所得税や割増賃金では、一定の条件を満たすと非課税となったり、割増賃金の計算の基礎に含めなくてもよいことになっています。最低賃金も同様ですが、こちらは会社側からすると含むことができない。とも言えるでしょう。
一方、労働・社会保険料の計算においては、通勤手当も含めて計算しなければなりません。つまり、こちらの方が計算に入れる手当の範囲が少し広くなっているというわけです。
毎月一律支給するような在宅勤務手当についても、特に除外できる手当として示されておらず、また、所得税では手当のうち非課税とすることができる部分(行未使用部分)の算出式が示されましたが、労働・社会保険料についてそういった取り扱いはないため、通勤手当同様、あくまで報酬として全額、計算の基礎となる報酬に含める必要があると考えられます。

<参考>厚生労働省

☞ 労働保険対象賃金の範囲

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します

☞ 標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します



KING OF TIME 情報


今回は、前回に引き続き、従業員設定の《退職編》についてご案内いたします。

◆ 従業員設定とは
◆ 従業員が退職した際のチェックリスト



従業員設定とは

《入社編》でもご案内の通り、従業員の基本データを登録します。
初期設定時や従業員の入退職時に行います。また、既に登録している従業員の所属/雇用区分の異動、退職処理などの各種設定変更もここで行うことができます。

☞ 「従業員設定」とは何ですか?

 >>> 詳しくはこちら

従業員が退職した際のチェックリスト

1)退職日
退職日を登録すると入社日から退職日までの勤怠データを残したまま、従業員による退職日以降のタイムカードへのアクセスや打刻を制限することが可能です。

☞ 退職者はどのように処理すればよいですか?

 >>> 詳しくはこちら



2)認証情報の削除
必要に応じて退職者の打刻に利用していた認証情報を削除してください。
たとえば、退職者が利用していたICカードを別の従業員に利用させたい場合、退職者に紐付いているカード情報を削除することで、別の従業員のカードとして新たに登録することができます。

☞ 退職者のICカードを再利用できますか?

 >>> 詳しくはこちら



3)在職外勤務エラーの確認
退職処理や従業員アカウントを削除した場合も、打刻データ、あるいは直行直帰のように労働時間を自動集計するパターンが存在する月に対しては課金対象となります。
在職外勤務にて、入社前、もしくは退職後に登録されている打刻件数、スケジュール件数をご確認のうえ、在職期間外の保管を必要としない勤怠データは削除していただくことをおすすめいたします。

36協定の本社一括届出の対象が拡大

☞ 在職外勤務(入社前や退職後)の勤怠データを一括削除することはできますか?

 >>> 詳しくはこちら



本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。


監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント