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労務情報

職場のハラスメント撲滅月間 ~2020年6月施行のパワーハラスメント防止法について~

公開日:2020年12月10日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 


職場のハラスメント撲滅月間 ~2020年6月施行のパワーハラスメント防止法について~

今週のピックアップ

【労務情報】
◆ 新たに定義されたパワーハラスメントとは?
◆ 企業が対応すべき内容とは
◆ パワハラが発生してしまったら
◆ 社内調査のポイント
◆ 調査に基づく措置のポイント(配置転換)
◆ 調査に基づく措置のポイント(懲戒処分)


【KING OF TIME 情報】
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◆ スケジュール登録(手動)
☞ KING OF TIME 情報は 《 こちら 》


新たに定義されたパワーハラスメントとは?

職場におけるパワーハラスメント(以下、パワハラ)とは、以下の(1)から(3)の全て満たすものと定義されています。

(1) 優越的な関係を背景とした言動であって
(2) 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであり
(3) 労働者の就業環境が害されるもの


上記について、これらに該当するか否かの判断は、
・当該言動の目的
・当該言動を受けた労働者の問題行動の有無や内容・程度を含む、当該言動が行われた経緯や状況
・業務や業態、業務内容や性質、当該言動の態様・頻度・継続性
・労働者の属性や心身の状況
・行為者との関係性
等を総合的に考慮して判断することが必要とされています。

また判断する際には、個別の事案における労働者の行動が問題となる場合、その内容・程度とそれに対する指導の態様などの相対的な関係性が重要な要素となるとされております。

<参考>厚生労働省HP

☞ パワーハラスメントの定義

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


パワハラの状況は多様ですが、代表的なものとして以下6つの類型が挙げられています。ただし、6類型はあくまで例示であるため、これらに当てはまらないからといって直ちにパワハラではない、ということにはなりませんので注意が必要です。

(1) 身体的な攻撃(暴行・傷害)
(2) 精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
(3) 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
(4) 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)
(5) 過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
(6) 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

<参考>厚生労働省HP

☞ ハラスメントの類型と種類

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


企業が対応すべき内容とは

パワハラ防止法の施行により企業は少なくとも、以下の対応を取る必要があります。

(1) 事業主の方針等の明確化、およびその周知・啓発
(2) 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
(3) 職場におけるパワーハラスメントに掛かる事後の迅速かつ適切な対応


「今まで、社内でパワハラに関する話を聞いたことがない」といった会社も多く、実際に問題が起きていないこともありますが、実際は、起きているものの被害者が声を上げていなかったり、会社が気づいていないだけなのかもしれません。

最近ではSNSの普及や意識の変化等により、社内と世間の垣根が低くなっており、ひとたび社外に話が出れば、瞬く間に世間に広がるリスクもあります。広がってしまってから、「何で会社に相談してくれなかったんだ」「社員の声を丁寧に聞いておけばこんなことにはならなかったのに」と思っても後の祭りです。

パワハラを含むハラスメント対策は、単に法律上、義務だからという理由で、最低限の措置義務のみを形式的に行うだけではなく、問題を未然に防いだり、社員が働きやすい環境を作ることに加え、万が一、問題発生した際の影響(職場環境の悪化、離職、採用難、企業イメージの低下など)も念頭に取り組む必要があります。

例えば、社内アンケートで現状を把握し、具体的な対応策を練ったり、管理職・一般職への社内研修を行い、ハラスメントに関する認識を合わせ、理解を深めさせるなど、問題の予防・解決のために実効性のある施策を検討・実施するとよいでしょう。

さらに踏み込んで、社員が働きやすい環境づくりを目指すことで、社員の定着率やパフォーマンスを上げ、さらには企業イメージの向上、採用活動への好影響なども期待できると考えます。

厚生労働省からも、研修用ツールなどが提供されていますのでご参考ください。

<参考>あかるい職場応援団:厚生労働省HP

☞ 社内アンケート

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します

☞ 管理職用チェックリスト

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します

☞ パワーハラスメント対策導入マニュアル、研修資料等

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します

☞ 他社事例

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


パワハラが発生してしまったら

対策を講じていても問題が起きてしまう場合もあります。社員からパワハラに関する相談が窓口担当者に入った場合、最初の対応が重要になります。この対応を誤ると、パワハラ問題が更に拡大しかねません。

相談窓口の担当者等が、相談者の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止め方などにも配慮しながら、相談者及び行為者の双方から丁寧に事実確認等を行うことも重要です。以下、相談窓口担当者が心得ておきたいポイントになります。

(1) 秘密が守られること、相談したことで不利益な取扱いをしないことを伝える
相談者は会社に話をすることで、さらに事態が悪化したり、自分の立場が悪くならないかといった不安も抱えているかもしれません。そのため、まずは秘密が守られ、そして不利益な取扱いをしないことを伝え、安心して相談をしてもらう環境や雰囲気作りが大切になります。

(2) 相談内容を5W1H [いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように] で正確に確認する
相談者の話す内容が全て事実であるとも限りません。受け止め方の問題や勘違いもあるかもしれません。また、感情的になり話が誇張されていたり、場合によっては相性が悪い上司を陥れるために、事実と異なる内容を話すかもしれません。そのため、相談内容を5W1Hで丁寧に確認することも重要です。相談者が証拠記録(手帳や録音データ等)を持っていれば、複製するなどして預かりましょう。

(3) 行為者との見解が相違する場合など、同僚などの第三者にヒアリングしてよいかを確認する。その際に、相談者の実名を出してよいかも確認する
客観的な事実を確認するために第三者にヒアリングすることを伝え確認を取っておきましょう。前述のように悪意のある場合は、牽制にもなります。
社内調査を行う際に、相談者の実名を出してよいかの確認も重要です。実名を出すことを拒んだ場合は、社内調査を行う際に具体的な事実を確認し、出来ない可能性もあることも伝えた方がよいでしょう。

(4) 相談者への配慮措置、行為者への措置に関する希望を確認する。ただし、相談者から今後の対応(行為者への処分等)を聞かれても安易に答えない
調査結果を踏まえた配慮措置を行う際に、相談者の希望も予め聞いておきます。ただし、必ずしも希望に沿える訳ではないことも、きちんと伝えておくことが重要です。

<参考>厚生労働省

☞ 相談受付票

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


社内調査のポイント

行為者に対して、パワハラに関する相談があったことを伝え、行為者の言動の目的・経緯等のヒアリングをし、事実確認を行います。

しかし、真にパワハラ体質な人は、本人にその自覚がないことが多いですので、相談者から証拠記録を預かっているのであれば、その内容を見せながら(相談者の同意が前提)事実確認を行っていきます。

行為者に対するヒアリングを行う際には、本ヒアリングをきっかけに相談者に対して報復行動を取らないよう、しっかりと伝えることが重要です。状況により、報復行動が懲戒処分に相当するということも伝えておきます。

相談者・行為者の意見が食い違う場合、相談者の同意のもとで同僚などの第三者へのヒアリングも行っていきます。 第三者にヒアリングを行う際は、会社はヒアリングに対応することで不利益な取扱いはしないこと、秘密は厳守すること、そして、その者に対してもこの場で話す内容について秘密を厳守することを必ず伝えます。

<参考>厚生労働省

☞ 行為者聞き取り表

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します


調査に基づく措置のポイント(配置転換)

社内調査で集めた情報をもとに、先に記載したように、当該言動の目的や当該言動が行われた経緯や状況、行為者との関係性等を総合的に考慮し、パワハラに該当するか否かの判断や今後の対応を決定します。
パワハラの事実が確認できた場合、行為者の配置転換や懲戒処分等を検討する必要があります。

配置転換については、原則パワハラ行為者に対して行うべきですが、会社によっては行為者を配置転換させると、その部署の業務が回らなくなる等の問題が発生する場合があります。だからといって、相談者を配置転換させてしまうと「会社にパワハラを相談したことで、希望しない部署に配置換えされた。自分は不利益な取扱いをされた」と主張されかねません。

よって、相談者に対して丁寧に説明し、理解を求めるプロセスを経ることがとても重要になります。その結果、相談者本人が自分の配置転換を希望したら、配慮措置として希望に沿った対応を取りましょう。

調査の結果、パワハラの事実がなかったとしても、相談者本人の仕事に対する影響を考慮すると、何かしらの対応を取るべきです。
配置転換を行わないまでも、業務相談や申請ルートなどを分ける、席を離すなどの対応を取った方がよいです。

調査に基づく措置のポイント(懲戒処分)

今後、パワハラを再発させないためにも、行為者に対して懲戒処分を行い、会社として毅然とした対応を取る必要があります。ただし、適正に懲戒処分を行い、その処分を有効なものとするために、以下の3つのポイントを満たす必要があります。

(1) 就業規則の懲戒事由に記載があり、社内に周知されているか
(2) パワハラ行為者の行動が、懲戒事由に該当しているか
(3) 懲戒処分が、社会通念上相当であるか


上記(1)(2)は、会社のルールがきちんと整備されているか?という形式論の話です。
極端に言えば、いくらパワハラ行為があったとしても、就業規則に懲戒事由となる旨の記載がなければ処分ができません。また、就業規則に懲戒事由としての記載があっても、就業規則自体がきちんと法律で求める手順(労基署への届出、社員への周知等)を踏んでいなければ、就業規則そのものが無効とされ、結果、行った懲戒処分も無効とされてしまう恐れもあるということです。

そして、上記(3)の判断は、以下の3つの観点で判断されることになります。
1.問題行動と懲戒処分とのバランス
2.他の懲戒処分事案とのバランス
3.懲戒処分とするまでのプロセス


対応を誤ると、懲戒処分の対象者とした社員に足元をすくわれたり、逆に、処分の内容が不服として会社を訴えてくる等の可能性も否定できません。
懲戒処分(特に重い懲戒処分)を検討する際には、専門家の意見も踏まえた上で対応することをお勧めします。

<参考>裁判例を見てみよう:厚生労働省HP

☞ 加害社員に対する懲戒(譴責)処分の可否

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します

☞ 懲戒処分通知を受けた際にパワハラを受けたとして慰謝料の支払いを求めた事案

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します

☞ その他

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに移動します



KING OF TIME 情報


今年も終わりが近づいてきました。
KING OF TIMEでは年末に必要な操作がございますので、今回はそちらについてご案内します。

◆ 祝日設定
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祝日設定

KING OF TIME上では、「祝日設定」は自動で行なわれず手動での設定が必要です。
会社独自の祝日など、日本の祝日以外にも自由に祝日を設定できます。

祝日設定

☞ 祝日(会社独自の休日)を登録することは可能ですか?

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スケジュール登録(手動)

上記の祝日設定を行なわず自動スケジュールが反映されてしまった場合、「祝日としたい日」も平日の自動スケジュールが登録されてしまいます。そういった場合、スケジュールを手動で編集する必要があります。後から祝日設定を行なっても、平日のスケジュールが残った残ったままになるので、この場合も手動での編集が必要です。
複数従業員のスケジュールを一括で変更可能です。

スケジュール登録(手動)

☞ スケジュールを手動で割り当てるにはどうすればいいですか?

 >>> 詳しくはこちら



本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
次回は、「年末に総チェック!2021年の重要法改正情報」についてお伝えする予定です。

今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。


監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント