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労務情報

コロナをきっかけに「副業」の注目度がUP?! ~ 企業が注意すべき点。これからの法改正は?~

公開日:2020年7月22日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄 


コロナをきっかけに「副業」の注目度がUP?!~企業が注意すべき点。これからの法改正は?~

今週のピックアップ

【労務情報】
◆ 副業を考えている会社員の割合:66%
◆ 副業を認める場合に注意すべき点とは?
◆ 副業・兼業を推進するために改正される法律
◆ 副業先で労災が発生。自社も責任を問われる?!
◆ 現在検討中の、副業・労働時間管理のあり方

【KING OF TIME 情報】
◆ 勤務間インターバル不足カウント機能
◆ 割増残業集計機能
☞ KING OF TIME 情報は 《 こちら 》


副業を考えている会社員の割合:66%

新型コロナウイルスの流行をきっかけに、在宅勤務制度を導入したり、その他働き方のルールを一時的にでも変更した会社は多いのではないでしょうか。このような環境変化は、働き方の意識に対しても影響を与えました。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が実施した「コロナ渦でのフリーランス・会社員の意識変容調査」によりますと、「今の仕事や働き方の問題を解消する、または満足度を高めるための取り組みとして考えていることはありますか?」との問いに、会社員の方で副業を挙げている割合は、前回調査(2018年10月実施)の51.3%から、今回調査(2020年4~5月実施)66.0%へ上昇しております。

☞ <参考>コロナ渦でのフリーランス・会社員の意識変容調査報告

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに推移します

コロナ流行中という特殊状況下での調査結果ではありますが、働き方に関する意識が変わっていく傾向は、今後間違いなく進んでいくでしょう。

政府も働き方改革の一環で、副業・兼業を推進しています。
企業側のメリットとして、自社内では得られない知識やスキル、人脈を得られることで、自社の業務に活かすことが出来ることなどが挙げられます。

では、企業として社員に副業・兼業を今後認めるか否かを検討するに際し、どのようなポイントを押さえておく必要があるのでしょうか?


副業を認める場合に注意すべき点とは?

社員から副業をしたいと言われた場合、会社は副業を認める必要があるでしょうか?
公務員ではなく一般企業の社員であれば、法律上で兼業を禁止する定めはありません。よって、会社の所定労働時間以外であれば、どのように過ごすかは個人の問題であり、会社は制限を加えることができません。

一方で、会社は社員に対して、雇用契約に基づいて労務提供を行う義務(職務専念義務)や、秘密保持義務、協業避止義務、企業秩序の維持などを課すのが一般的です。よって、それらに支障を来たす場合を想定して、副業を禁止とするルールを設けることについては合理性が認められます。
副業を禁止したり、許可制とする場合は、トラブル防止の観点から就業規則にその旨を規定した方がよいでしょう。

なお、副業を認める場合は、労働時間管理の観点で注意が必要です。
残業時間の計算は、副業先の労働時間も通算する必要があります。つまり、ある日に自社で8時間労働、副業先で3時間労働した場合は、1日の法定労働時間(8時間)を超えて働いたことになりますので、超えた時間について時間外割増の支払いが必要になります。

この場合、自社と副業先のどちらが残業代を支払うのか?との問題があります。
これについては労働基準法上では特段決められておりませんが、時間的に後から当該社員と雇用契約を締結した会社が支払うべきと考えられております。一般的には、副業先が時間的に後から雇用契約を締結するケースが多いと思いますので、副業先が法律上では時間外割増を支払う必要があるということになります。

上記の時間外割増の支払いという点では、自社にはあまり関係ないと思われますが、36協定・時間外上限規制の話になるとそうはいきません。

36協定は事業場ごとに締結するものですので、時間外上限規制は事業場ごとで適用、つまり自社と副業先は別々で管理し労働時間は通算しないという考えが基本です。しかし、「時間外労働+休日労働:単月100時間未満」「時間外労働+休日労働:2~6か月平均80時間以内」のルールについては、事業場ではなく個人に紐づいているルールです。よって、自社と副業先の労働時間を通算して管理する必要があり、ルールを守れなかった場合は当然のことながら法違反となります。

よって、会社として副業を認める場合は、副業先の労働時間の制限を設けること、副業先の労働時間を報告すること、必ず週1日の休日を取得すること、自社の残業命令には従うこと、会社の業務に支障を生じさせないこと、健康管理に努めること等、様々な条件を付して許可制とすることをお勧めします。


副業・兼業を推進するために改正される法律

政府としては副業・兼業を推進していますが、それを取り巻く法整備が実態に追い付いていないというのが正直なところです。これから様々な法改正が行われると思いますが、現時点では以下の法改正が行われることが決定しております。

1.労災保険の改正(2020年9月1日施行)
本業、副業先ともに労災保険の対象にはなりますが、現行法では業務中にケガをした等の労災が発生した場合は、災害が発生した就業先の賃金のみで、労災保険給付額を計算します。よって、副業先で労災となり、結果本業の会社でも働けなくなったとしても、労災保険は副業先のみの賃金ベースで給付額が計算されることになります。

改正後は勤務している会社の賃金合計額で給付額が決定されることになります。ただし、脳・心臓疾患や精神障害等の疾病等であって、事故原因と発症時期が必ずしも一致しない場合は、当該疾病発症時にいずれかの会社を既に退職している場合もありますので、そのケースでは別途の取扱いとなります。

☞ <参考>複数の会社等に雇用されている労働者の方々への労災保険給付が変わります

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに推移します


2.雇用保険の改正(2022年4月1日施行)
雇用保険は、① 1週間の所定労働時間が20時間未満である者、② 継続して31日以上雇用されることが見込まれない者、については対象外です。①②の要件に合致するかは、本業、副業先それぞれで判断することになります(通算はしません)。

改正後は65歳以上の者であれば、本業、副業先いずれも週所定労働時間が20時間未満であっても、合算して20時間以上であれば、被保険者になることができるようになります。

この取り扱いは、当該社員からの申し出ベースになりますので、要件を満たした場合に自動的に被保険者になる訳ではありません。また、65歳以上の者に限定されておりますので、すぐに企業実務に大きな影響が出る訳ではないと思いますが、今後拡大するであろう高齢者雇用を踏まえると、注意すべきポイントになります。


副業先で労災が発生。自社も責任を問われる?!

上記の通り、労災が発生した場合は、法改正により自社と副業先の賃金を合算して労災保険給付額を決定されることになりますが、副業先で労災が発生した場合に、自社の賃金相当部分について何かしらの責任を問われる可能性はあるのでしょうか? それに関しては、以下の取り扱いをする予定となっております。

・副業先での業務上の負荷によって労災認定された場合は、副業先に災害補償責任が発生し、自社は災害補償責任を負わない。つまり、自社の賃金も含めて政府労災給付額が決定されるが、自社が支払った賃金に相当する労働基準法上の災害補償責任を負わない。

・自社、副業先それぞれの負荷のみでは業務と疾病等との間に因果関係が認められないが、業務上の負荷を総合して評価した結果、疾病等の間に因果関係が認められる場合については、自社、副業先それぞれの負荷のみでは業務と疾病等との間に因果関係が認められないので、自社、副業先のいずれも労働基準法上の災害補償責任を負わない。

ここで注意すべきは、あくまで「労働基準法上の災害補償責任」を負わないとのみ記載している点です。
労災が発生した場合に会社が問われる責任は、労働基準法上の災害補償責任だけでなく、民法での不法行為責任、債務不履行責任(安全配慮義務など)など様々な責任を問われる可能性があります。

よって、今回の労災保険法の改正で、会社のリスクとして想定しうる全ての責任が無くなったという訳でないという点について注意が必要です。


現在検討中の、副業・労働時間管理のあり方

まだまだ法律上での課題が多い副業・兼業ですが、6月16日に政府内で未来投資会議が開催され、以下の副業・兼業時の労働時間管理に関する方向性が示されました。

1)副業・兼業の開始および副業・兼業先での労働時間の把握については、新たに労働者からの自己申告制を設けること。
2)労働者からの申告漏れや虚偽申告があった場合には、副業先での長時間労働によって上限時間を超過したとしても、本業の企業は責任を問われないこと。


一見して現在の法規制から緩和されているようにも思えますが、上記内容は、会社として副業する社員に対して労働時間の正確な自己申告を求め、副業先の労働時間も含めて時間外上限規制を管理する必要がある、ということが前提条件となります。

こちらはあくまで方向性ですので、その内容をベースに法改正が検討されるか否かは現時点では不明ですが、副業の労働時間管理のあり方の政府内検討については今後も注視したほうがよいでしょう。

☞ <参考>首相官邸 未来投資会議資料

 >>> 詳しくはこちら ※外部リンクに推移します



KING OF TIME 情報


今回は以下2点の機能をご紹介いたします。

◆ 勤務間インターバル不足カウント機能
◆ 割増残業集計機能



勤務間インターバル不足カウント機能

2019年4月より、勤務間インターバルの導入が努力義務化されました。本製品では、勤務間インターバル不足の回数をカウント、また、アラート機能とアラート通知機能と併用することで、勤務間インターバル不足が発生した際にメール通知できます。

勤務間インターバル不足カウント機能

☞ 勤務間インターバル制度に対応していますか?

 >>> 詳しくはこちら



割増残業集計機能

2010 年の労働基準法改正で、1 か月あたり 60 時間を超える時間外労働に対して、5 割以上の割増率で計算した割増賃金の支払いが義務付けられました。中小企業は当面の間、割増率の適用が猶予されていましたが、2023 年 4 月 1 日より猶予措置が廃止されます。 本製品では、「45 時間超過~60 時間」「60 時間超過~ 」それぞれの集計が確認できます。

割増残業集計機能

☞ 一定時間を超えた労働時間を割増賃金の対象として集計できますか?

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本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
次回は、まもなく50回を迎える労務ブログの特別企画としまして、日頃ご覧頂いている読者の方から注目度の高かった記事をランキング形式でお届けしたいと考えております。
是非お見逃しのないよう次回もご覧くださいませ。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。


監修元:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント