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労務情報

在宅勤務における労務管理のポイント(その2)

公開日:2020年5月14日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄


在宅勤務における労務管理のポイント(その2)

今週のピックアップ

【労務情報】
◆ 事業場外みなし労働時間制とは
◆ 在宅勤務に適用するには
◆ 全ての時間を「みなす」ことは出来ない
◆ 事業場外みなし労働時間制は裁判で否認されるケースが多い

【KING OF TIME 情報】
◆ 打刻忘れをメールで通知
◆ 残業時間の管理
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事業場外みなし労働時間制とは

みなし労働時間制とは、労働者が実際に働いた時間ではなく、予め定めた時間を働いたものとみなす制度のことで、みなし労働時間制は「事業場外みなし労働時間制」「専門業務型裁量労働制」「企画業務型裁量労働制」の3種類の制度があります。

事業場外みなし労働時間制とは、
・労働者がオフィスなどの事業場の外で労働に従事し
・会社の指揮監督が及ばないため
・事業場の外での労働時間の算定が困難な場合に
労働者の労働時間を適切に把握・管理する会社の義務を例外的に免除し、労働者が一定時間労働したものとみなす制度のことを言います。

働いたとみなす時間数は、以下のいずれかをあらかじめ定めます。
・所定労働時間、労働したものとみなす
・通常残業が必要であれば、その業務に通常必要とされる時間、労働したものとみなす
(例:1日の所定労働時間8時間の会社で、1時間の残業が通常であれば、9時間働いたものとみなす)

会社の指揮監督が及ばないことが条件なので、
① 何人かのグループで事業場外の労働に従事する場合で、そのメンバーの中に労働を管理する者がいる場合
② 無線や携帯電話等で随時会社の指示を受けながら労働している場合
③ 会社から訪問先、帰社時刻等の当日の業務内容の具体的な指示を受けた後、指示通りに働き、その後会社に戻る場合
上記に該当する実態がある場合は、指揮監督が及んでいると判断され、このみなし労働時間制は対象外となります。


在宅勤務に適用するには

では、在宅勤務の場合は、この事業場外みなし労働時間制は適用されるでしょうか?
前述した要件に加え、以下の3点を全て満たした場合、在宅勤務でも事業場外みなし労働時間制を適用することが可能です。

① 在宅勤務が起居寝食等私生活を営む自宅で行われていること

② 在宅勤務で使用しているパソコンが会社の指示により常時通信可能な状態となっていないこと
・労働者が自分の意思で通信可能な状態を切断することについて、会社から認められている
・会社が労働者に対し、パソコンなどで随時具体的な指示を行わず、かつ会社から具体的指示があった場合に労働者は即応しなくてもよい
・回線が接続されていても、労働者がパソコンから離れることが自由である

③ 在宅勤務が随時会社の具体的な指示に基づいて行われていないこと
在宅勤務の目的、目標、期限などの基本的事項を指示することは「具体的な指示に基づいて行われる」には該当しませんので、そのような指示を行うことは問題ありません。


全ての時間を「みなす」ことは出来ない

事業場外みなし労働時間制を採用したとしても、全ての時間の把握・管理義務が免除される訳ではありません。

1.オフィス内での労働時間
事業場外みなし労働時間制とは、その名称の通り「事業場外」での労働時間をみなす制度です。 「事業場内」での労働時間については、当然のことながら会社は把握する必要があります。

よって、当初予定されていた打合せのために会社に出社した、対応する業務があり急遽出社した(もしくは会社が出社させた)場合、その時間は別途把握する必要があります。

2.深夜・法定休日の労働時間
事業場外みなし労働時間制を採用した場合でも、労働基準法で定められている割増賃金の支払いが免除される訳ではありません。
よって、深夜割増(25%)が適用される22~翌日5時の時間帯に労働した場合や、休日割増(35%)が適用される法定休日に労働した場合、その時間についての割増をきちんと支払うためにも、会社は深夜労働、法定休日の労働時間を把握する必要があります。

そのためには、深夜労働、法定休日労働を行った労働者については実労働時間を報告させるようにすることや、前回のメルマガに記載した通り許可制とする等の対応が必要となります。

なお、以下の要件を満たすことで労働時間として取り扱わないことが可能とはなっておりますが、仮に裁判になった場合、労働時間に該当するか否かはより精緻な判断がなされる可能性がありますので、運用には細心の注意が必要です。


【事業場外みなし労働時間制で、指示がないのに深夜・休日労働を行った場合の取扱い】
労働者が、深夜・休日に業務を行う場合、事前に申告して許可を得た上で、その事後に報告をしなければならないこと(事前許可・事後報告制)を、就業規則などで定めている会社において、深夜・休日に業務を行ったが、
・深夜・休日の労働の事前の申告がない
または
・事前に申請されたが、使用者の許可を得ておらず、かつ、労働者からの事後報告がない
場合で、次のすべてに該当する時は、労働基準法の労働時間にはならない。

① 使用者から労働を強制されたり、義務付けられたりした事実がないこと
② 深夜・休日に働かざるを得ないような黙示の指揮命令がないこと
③ 深夜・休日労働が客観的に推測できず、使用者がそれを知らないこと

(※深夜または休日にその労働者からメールが送信された、深夜または休日に労働しなければ作成できないような資料が提出されたなど)
④ 事前許可が実態を反映していないような事情がないこと
(※労働者からの事前の申告に上限時間が設けられた、労働者が実績どおりに申告しないよう使用者から働きかけや圧力があったなど)
⑤ 事後報告が事実を反映していないような事情がないこと
(※深夜または休日に業務を行った実績について、その労働者からの事後の報告に上限が設けられている、労働者が実績どおりに報告しないよう使用者から働きかけや圧力があるなど)

事業場外みなし労働時間制は裁判で否認されるケースが多い

事業場外みなし労働時間制に関する裁判では、ほとんどのケースで会社側が敗訴しています。

A社事件(東京地裁 平成9年8月)
書籍等の訪問販売を主たる業務としているA社で、ホテル等に会場を設け絵画の展示販売に従事している営業社員に対して事業場外みなし制度を適用していたが、業務に従事する場所・時間が限定され、管理職も同席していた実態があったことで、労働時間の算定が可能であるとして事業場外みなし制度の適用が否認。

B社事件(東京地裁 平成17年9月)
広告代理業・印刷業を営むB社で、営業部に所属する営業社員に事業場外みなし制度を運用。会社は就業状況月報等で労働時間を管理していた。営業社員に携帯電話を貸与し、会社は利用状況を把握していた。営業社員は日報を作成し、訪問先や訪問時間等を会社に報告していた。との実態があったことで、労働時間の算定が可能であるとして事業場外みなし制度の適用が否認。


事業場外みなし労働時間制が法律に定められたのは昭和63年になります。
当日の情報通信技術のレベルを考えると、オフィス外での労働に関する指揮監督は困難であるとの判断があったかと思います。

しかし、現在はスマートフォン・携帯電話の所持してでの業務は当たり前、むしろ持っていないと仕事は出来ないという時代です。労働時間を把握しようと思えば、会社はいくらでも把握できる時代ですので、この制度はほぼ形骸化しているものと感じております。

事業場外みなし労働時間制は、労働者側の弁護士や労働組合から見れば、とても突っ込みやすい制度であるとの話も耳にしたことがあります。

そのため、時間管理が手間、したくない、方法がわからない等の理由で制度を導入するのではなく、在宅勤務であったとしても、KING OF TIMEで出退勤の打刻をさせることを前提に勤怠管理を行い、不足する部分は新たなルールを導入、就業規則も整える対応を取ることをお勧め致します。



KING OF TIME 情報


今回は、以下2点をご案内します。

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◆ 残業時間の管理



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本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
次回は「【新型コロナ関連】労働保険の年度更新期間の延長/納付の猶予について」をお伝えする予定です。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。