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労務情報

就業規則は毎年見直しましょう(その2)

公開日:2020年4月23日(当記事の内容は公開時点のものです)

監修:社会保険労務士法人 ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄
監修:社会保険労務士法人
ヒューマンリソースマネージメント
特定社会保険労務士 馬場栄


就業規則は毎年見直しましょう(その2)

今週のピックアップ

【労務情報】
◆ 会社のルール変更(俯瞰してみる)
◆ 雇用形態
◆ 勤務形態の変更

【KING OF TIME 情報】
◆ 管理者・従業員の削除
◆ 所属・雇用区分の削除
◆ スケジュールパターンの削除
☞ KING OF TIME 情報は 《 こちら 》


3. 会社ルールの変更(俯瞰してみる)

会社ルールが変わっているのに就業規則を改定していない。

こうした際に見られる例として、就業規則と雇用契約書や求人票に記載された休日数が一致していないことがあります。

会社ルールを変更した際に、就業規則の改定は後回しにして、求人票や雇用契約書だけ先に手直しすると、当然ですが差異が生じます。その間に応募や入社してきた人がいると求人や雇用契約書と内容が違う!といったことで不信感を与えてしまったり、場合によってはトラブルが生じかねません。

(例)年間休日数 1日の所定労働時間
就業規則 :   90日  7時間00分
雇用契約書: 100日  7時間30分
求人票  : 110日  8時間00分

上記の場合では、社員にとって、最も単価が高くなる就業規則の所定労働時間7時間00分と求人票の休日110日で残業代計算が必要とされる恐れがあります。
労働基準法の考え方は、「契約条件に不一致がある場合、労働者にとって一番有利な条件を適用する」とされるためです。

新ルールで既に運用していても、トラブルが発生した際にはルール改定前の内容(就業規則の記載に基づいて)が労働条件となるとの判断がされる恐れがあります。

逆に就業規則が変わっているのに雇用契約書、求人票が昔のまま、といった場合も同様の問題が発生する恐れがあります。記載内容が一致しているか改めてご確認されることをお勧めします。


4. 雇用形態

例)今までは正社員だけであったが、新たにパート・アルバイト・嘱託社員(有期契約社員等)を雇用した。

こうした場合に、
➀ 正社員用の就業規則はあるが、有期契約社員等に対する就業規則がない
② あっても簡易的なものである
といったケースをよく見受けます。

ケース➀ 正社員用の就業規則はあるが、有期契約社員等に対する就業規則がない
正社員と有期契約社員等で就業ルールや待遇等を分けたい場合は、それぞれ就業規則を作成しなければなりません。
就業規則がなければ、有期契約社員等も正社員用の就業規則が適用される可能性があります。
例えば、正社員用の就業規則に退職金の規定があると、有期契約社員等の雇用契約書に「退職金は支給しない」と記載があっても、正社員用の就業規則が適用(退職金の支給が必要と)される可能性が高いです。

正社員用の就業規則の適用範囲で、「正社員以外の社員は、別に定めるところによる」などとして適用を除外していれば、正社員用の就業規則は、有期契約社員等に対しては適用されないことになります。
ただ、この場合も、別の定め(有期契約社員等用の就業規則)をきちんと設けておかなければ同様です。

これは退職金だけではなく、慶弔休暇や休職制度などについても、会社の意図に反して、就業規則に基づいて正社員と同じ処遇を求められることがあるため注意が必要です。

ケース② あっても簡易的なものである
有期契約社員等であっても入社し、在職中、退職時にトラブルが起こる可能性があることに変わりはありません。

むしろ簡易的なものであるがゆえにトラブルは起こりがちです。(有期契約社員等の方が入退職が多かったり、イレギュラーなことが多い。そもそも正社員でないからといった誤認も一因)

そのためパートタイム労働法等では、トラブルの未然防止のため、問題が起こりやすい点についてはあらかじめ明示しておくことや、きちんと説明することなどを義務づけています。

とはいえ、就業規則を分けて作成するのは大変だ、と思われる方も多く、就業規則の適用対象をすべての社員としておき、慶弔休暇や休職など個々の規定の中で、その都度「ただし、有期契約社員等については・・・を適用しない」のような作りにされている会社もあると思います。

これにより適用の有無は整理できますが、有期契約社員等の方々が就業規則を見たときに、正社員の労働条件と違いがある場合は、不公平感を抱いてしまうかもしれません。
また、賃金の構成が違っていたり、勤務時間が違っていたりすると思いますので、1つの就業規則で規定・運用すると複雑で使い勝手が悪くなることも懸念されます。

これらに踏まえ、就業規則は正社員と有期契約社員等でそれぞれ分けて作成することをお勧めいたします。


■ 同一労働同一賃金
大企業は2020年4月(中小企業は2021年4月)から施行。

こちらは、単に正社員だからパート・アルバイトだから、といった理由で基本給や手当、賞与、その他に福利厚生等に不合理な差を設けないでくださいというものです。

待遇差を設けている会社で、パート・アルバイトの方から「この待遇差の理由は何ですか?」と聞かれた場合、会社はきちんと理由を説明することも義務づけられました。

中小企業への適用は来年ですが、すでに労働契約法という法律で、正社員と有期契約社員との間で期間の定めがあるという理由だけで、不合理に労働条件を相違させることが禁止されております。
そして、現在も不合理な待遇差に関する裁判が全国で起きており、会社側が負けてしまった事案も発生しております。

ポイントとしては、
職務内容、職務内容・配置の変更範囲などの違いの有無や支給される手当ごとの目的や条件などがどのようなものかというところです。

職務内容、職務内容・配置の変更範囲などに違いが・・・

・ない場合は、同じ待遇(均等待遇)
・ある場合でも、その度合いに応じた待遇(均衡待遇)

とする必要があるということです。
そのため、現在すでに正社員と分けて就業規則を作成されている会社におかれましても、
・正社員と有期契約社員等の方々について、それぞれ業務分析をおこない、その違いを明確にしておく。
・違いがない方については、待遇を正社員に合わせる。または業務内容等に違いを設ける。のいずれかの対応を検討。

現在支払っている手当についても、それぞれの定義(どのような目的で誰に支給するかなど)、整理を行い、支給対象者の検討や手当の見直し等を進めておきましょう。

こうした点も踏まえ、就業規則(給与規程)の見直し等おこないましょう。


5. 勤務形態の変更

例)過去は1日8時間、週5日勤務の社員だけであったが、現在では、時短、変形労働制(1か月、1年、フレックス)、テレワークなど別の形で勤務させている。しかし、就業規則に記載がない。

特に、変形労働時間制を導入している場合、時間外割増(×1.25で支給)の対象となる時間数が、原則(1日8時間超、週40時間超)に基づく時間数と違ってきます。

例えば、フレックスタイム制を導入し、月の法定労働時間を超えた分について残業代を支給としている場合、就業規則に定めがなく制度が否定されると、あくまで原則に基づいて時間外を算出し、その分の割増手当を支給する必要が生じます。

またフレックス制度という枠組みだけ規定しても、対象者は誰か?有休を1日取った際は何時間分の労働時間として扱うか、コアタイム(就労しなければいけない時間帯)の有無、ある場合は、その時間は何時から何時までとするかなど、どのようにするかが決められていないと運用に支障をきたす場合があります。

そうならないように、労使協定にて定めるべき事項も細かく決まっていますので、会社の状況を踏まえ、事前にこれらを決めておくことが必要となります。
さらに、就業規則と同じで、制度を一度導入したら終わりではなく、運用するうえで発生した課題等についても定期的にチェックし改善をおこなうことで制度導入の効果を高めていけると考えます。


■ その他、よく見られる例
・1年変形労働時間制を採用している会社
→ 協定書を作成しているが、昨年のものを機械的に修正しているだけであるため、記載の内容と実態がズレている。

・1か月変形労働時間制を導入している会社
→ 制度本来のルールに対し、会社が運用しやすいように会社独自のルールができてしまっている。(翌月分のシフトをきちんと作っていない、残業時間のカウントを1日・週単位ではおこなわず、月単位のみでしかおこなっていない)

などもよく見られます。
特に担当の方が変わっていると、後任の方が疑いもなく以前からのルールを踏襲している結果、ズレたままになっているような場合もありますのでご注意ください。


■ 最後に
育児や介護をしながら働く社員のために時短制度を導入したり、働き方改革の推進、コロナ対応でテレワーク制を導入したりと、今後もそうした社員が増えたり、環境の変化が発生することも予想されます。また多様な働き方を会社側が示せるかが、採用や社員の定着、会社の存続にも大切なポイントとなるのではないかと考えられます。

この機会にぜひ、会社のご状況と合わせ、さまざまな観点で就業規則を見直してみてはいかがでしょうか。



KING OF TIME 情報


この時期、部署や人員の体制変更も多いかと思います。
今回は体制変更に関連して、以下の操作についてご案内いたします。

◆ 管理者・従業員の削除
◆ 所属・雇用区分の削除
◆ スケジュールパターンの削除


管理者・従業員の削除

管理者や従業員を削除する場合の条件、影響についてご案内いたします。

管理者・従業員の削除画面

管理者・従業員の削除への影響

☞ 管理者を削除しても問題ありませんか?

 >>> 詳しくはこちら

☞ 従業員を削除するにはどうすればよいですか?

 >>> 詳しくはこちら



所属・雇用区分の削除

所属や雇用区分を削除する場合の条件、影響についてご案内いたします。

所属・雇用区分の削除画面

所属・雇用区分の削除の影響

☞ 使用していない所属を削除できますか?

 >>> 詳しくはこちら

☞ 使用しなくなった「雇用区分」を削除しても大丈夫ですか?

 >>> 詳しくはこちら



スケジュールパターンの削除

不要なスケジュールパターンを削除する場合の条件、影響についてご案内いたします。

スケジュールパターンの削除画面

スケジュールパターンの削除の影響

☞ 使わなくなったスケジュールパターンは削除してもいいのでしょうか?

 >>> 詳しくはこちら



本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
次回は「在宅勤務における労務管理のポイント(その1)」についてお伝えする予定です。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。



監修:社会保険労務士法人ヒューマンリソースマネージメント
https://www.human-rm.or.jp/