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【フレックスタイム制度とは?】 ~柔軟な働き方の導入、雇用の流動化における留意すべき点~

監修:特定社会保険労務士 馬場栄

フレックスタイム制度とは?

そこはかとなく金木犀の香りがただよいくる頃となりました。
皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
ヒューマンテクノロジーズの佐藤です。

働き方の多様化が進み、生産性向上や競争力強化、女性の活躍推進を理由にテレワークやフレックスタイム制度の取り込みを積極化している企業も多いのではないでしょうか。
柔軟な働き方の1つとして、フレックスタイム制度があげられます。
今回は、「フレックスタイム制度」に関して、以下3点をご案内します。

・1ヶ月を超えるフレックスタイム制
・パターン設定
・時間外労働の上限規制


1ヶ月を超えるフレックスタイム制

フレックスタイム制の「清算期間」が最長3ヶ月に延長され、今までより柔軟な働き方が可能になりました。
本製品では、「変形労働タイプ:フレックス」の設定をすることで対応が可能です。
「変形労働タイプ:フレックス」を使用すると、清算月数を1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月から選択できるようになります。タイムカードでは、「フレックスタイム集計」の項目が表示され、当月清算が必要な残業時間や繰越時間が確認できます。

フレックスタイム設定:画面キャプチャ

設定方法や、集計項目についてはこちらをご参照ください。

☞ 「3ヶ月のフレックスタイム制」を設定することはできますか?

 >>> 詳しくはこちら

☞ フレックスタイム集計項目について

 >>> 詳しくはこちら


社労士からのアドバイス

フレックスタイム制度とは

フレックスタイム制度とは、一定の期間(清算期間)について、あらかじめ総労働時間の上限を定め、その範囲内で労働者が日々の始業・終業時刻、労働時間を自ら決めることができる制度です。

厚生労働省の2018年就労条件総合調査によると、企業全体に占めるフレックスタイム制度の採用割合は5.6%とまだ低い数値ではありますが、業種別に見ると、情報通信業(25.3%)や学術研究、専門・技術サービス業(13.9%)など、一部業種では導入が進んでいる制度であります。

労働者にとっては、日々の都合に合わせて、時間という限られた資源を仕事とプライベート(子育てや介護など含めた様々なニーズ)に応じて配分することができるため、仕事と生活の調和を図りやすくなったり、労働時間を効率的に配分することが可能となるなど、会社にとっても、労働者の職場定着率UPや労働生産性の向上(残業時間の削減)など期待できます。

従来の制度では、清算期間は1ヶ月が上限でしたが、働き方改革法の施行により今年4月から3ヶ月に延長されたことで、より広く柔軟に運用ができるようになり、注目されている制度となっております。

ただし、デメリット(時間帯によって取引先への対応者が不在、社内の連携不足、仕事や時間管理がルーズな社員の生産性や効率低下など)も考えられ、会社や社員の状況に応じて導入を慎重に検討する必要があります。
特に、始業・終業時刻や労働時間を社員に任せることとなるため、会社が時間管理をしづらくなったり、制度に基づいた時間管理(残業計算)が煩雑になるため、これらについては、勤怠システムの活用も含めた、時間管理ルールや運用法で対策を講じておくことがポイントです。



コアタイムとフレキシブルタイムの設定

通常のフレックスタイム制には、「コアタイム」「フレキシブルタイム」というものが設けられています。
スケジュールパターンを設定する際、「フレックス種別:フレックス勤務」に設定することで対応できます。出退勤予定時間(コアタイム)外の勤務が、「所定外時間」ではなく、「所定時間」として計上できます。


パターン登録:画面キャプチャ

フレックスのスケジュールパターン設定方法は、こちらをご参照ください。

☞ フレックスタイム制の設定はどうすればいいですか?

 >>> 詳しくはこちら



社労士からのアドバイス

フレックスタイム制度を導入するには

フレックスタイム制度を導入するためには、以下2つの要件を満たす必要があります。

・就業規則等に始業時刻・終業時刻を労働者の決定に委ねることを定めること
・労使協定を締結すること

労使協定では、以下6つの内容を定める必要があります。

 1.対象となる労働者の範囲
 2.清算期間
 3.清算期間における総労働時間(清算期間における所定労働時間)
 4.標準となる1日の労働時間
 5.コアタイム(※任意)
 6.フレキシブルタイム(※任意)

※なお、清算期間を1ヶ月超にした場合には、上記6つの内容に加えて清算期間の起算日も定め、労使協定を労基署へ届出する必要があります。

以下、各内容の概要をご説明いたします。


1.対象となる労働者の範囲
———————————————
フレックスタイム制度の対象となる労働者の範囲を定めます。
こちらについては、法律上の制限は特段ありません。
全従業員を対象とせず、特定の部署のみを対象としたり、特定の従業員を対象とすることも可能です。

2.清算期間
———————————————
フレックスタイム制において、労働者が任意に労働時間を選択できる期間のことです。
従来は上限が1ヶ月でしたが、法改正により上限が3ヶ月となりました。

3.清算期間における総労働時間
———————————————
労働者が清算期間において労働すべき時間として定められた時間のことでいわゆる所定労働時間のことです。
フレックスタイム制では、清算期間を単位として所定労働時間を定めることとなり、以下の計算式で求めた範囲内で設定する必要があります。

(清算期間の暦日数÷7日)×40時間

月単位で清算期間を定めた場合の、具体的な総枠時間数は下記の通りです。
単価設定:画面キャプチャ

例えば、2019年7月~2019年9月までの期間でフレックスタイム制を導入する場合は、清算期間は3ヶ月単位、暦日数は92日となりますので、その期間の総枠は525.7時間が上限となります。
なお、清算期間が1ヶ月を超える場合は、下記の要件も満たす必要があります。

・清算期間を平均して、1週間当たりの労働時間が40時間を超えないこと。
・清算期間を1ヶ月毎に区分した期間(区分期間)を設定し、その区分期間を平均し1週間当たりの労働時間が50時間を超えないこと

4.標準となる1日の労働時間
———————————————
フレックスタイム制の清算期間内に、年次有給休暇を取得した際に支払う賃金の労働時間数を定めるためのものです。清算期間における総労働時間を、期間中の所定労働日数で割った時間数を基準として定めます。

5.コアタイム(※任意)
———————————————
コアタイムとは1日のうちで必ず働かなければならない時間帯を言います。
コアタイムを設ける場合、その時間帯の開始・終了の時刻を定める必要があります。
なお、1日のうち大半をコアタイムで設定することは、フレックスタイム制度の趣旨に反するという判断をされる可能性もありますので注意が必要です。

こちらの設定有無は任意ですので、コアタイムを設定せず、完全フレックス制度も法的には可能です。

6.フレキシブルタイム(※任意)
———————————————
フレキシブルタイムとは、労働者が自らの選択によって労働時間を決定することができる時間帯のことです。コアタイムと同様、こちらも必ず設けなければならないものではありませんが、フレキシブルタイムを設ける場合には、その時間帯の開始・終了の時刻を労使協定で定める必要があります。



時間外労働の上限規制

フレックスタイム制を導入したとしても、時間外労働の上限規制は適用されます。
本製品では、「時間外労働の上限規制」にて任意の「警告」と「上限」の基準値を設定できます。「警告基準値」と「上限基準値」を達した従業員は、一覧で確認可能です。


時間外労働の上限規制:画面キャプチャ

設定方法はこちらをご参照ください。

☞ 時間外労働の上限時間を設定することはできますか?

 >>> 詳しくはこちら


「時間外上限規制」の管理については、「KING OF TIME データ分析」もございます。
「KING OF TIME データ分析」とは、KING OF TIME(勤怠管理)と連携し、従業員の働き方を可視化できるクラウド型のデータ分析システムです。


データ分析:画面キャプチャ

☞ KING OF TIME データ分析

 >>> 詳しくはこちら


社労士からのアドバイス

導入にあたっての留意点

1. フレックスタイム制を導入しても、労働時間管理は必須
フレックスタイム制は、労働者が自ら始業・就業時刻を決めることが出来る柔軟な制度ですが、会社として労働者の時間管理を行うことは免除されておりません。
きちんと労働時間を管理し、法律に則り残業時間が発生した場合は残業代を支払う必要があります。
清算期間が1ヶ月以内か超かで残業時間の計算方法が異なりますので勤怠管理システムの機能を活用し管理することが最も正確かつ効率的でしょう。

2. 働き方改革法の時間外上限規制も適用される
今年4月からスタートした(中小企業は2020年4月から適用)時間外上限規制についても、当然のことながらフレックスタイム制を導入したとしても適用されます。

上記 1. と同様、こちらについても複雑な時間計算を行う必要がありますので、勤怠管理システムの機能を活用し管理することが最も正確かつ効率的でしょう。

3. 清算期間を1ヶ月超に設定した場合、時間外上限規制違反になる場合もある
簡単に言うと、フレックスタイム制は清算期間終了時に残業代を清算する仕組みですので、残業時間を後ろに繰り越されるイメージとなります。

結果、フレックスタイム制を導入しなければ、時間外上限規制に抵触しないものの、制度導入したことで、最終月に単月残業時間100時間以上の規制に抵触する等、時間外上限規制違反になることもありえます。
対策として、清算期間の全てを繁忙月で設定するのではなく、閑散月も加えた制度導入を行うということも有効です。

(例) 1~3月が繁忙期。4月から閑散期というケースでは、清算期間を1~3月とするのではなく、3~5月に設定をする、などです。




以上、「フレックスタイム制度」についてご案内いたしました。
本記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
次回は、少し視点を変えて「配置転換や職務変更」について、お伝えする予定です。

秋冷日ごとにつのる季節、どうぞお健やかにお過ごし下さい。
今後もKING OF TIMEをご愛顧いただけますよう邁進してまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。